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ASO飯塚チャレンジドゴルフトーナメント 2023

50歳、宮本勝昌の流儀

好スコアで報道陣に囲まれたらたいていは、誰か他の人の話題で会話を始めるのが宮本勝昌(みやもと・かつまさ)の流儀だ。

この日も、やっぱり最初は単独首位につけた金谷拓実(かなや・たくみ)の話題。
「金谷くん、ナイスプレー」などと、25歳の快進撃を絶賛したが、今年50歳も十分スゴい。



2週前に、初出場の全米プロシニアで10位に入って帰ったばかり。
「いや、先週は7オーバー叩いてますから」と、歴代覇者に連ねる「BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」での初日の大叩きの腰痛棄権を自虐したが、明けてこの日は一転、金谷に2打差の2位タイ。


「バーディー以外はほとんどピンチですが」と、また冗談交じりに自分を卑下する。
「若い選手みたいな伸びしろはもうない」と、諦観する。


「目指すのは90%の自分を出すこと」と、無理強いしないが、この日は雨中で「64」。
しかも、後半10番から4連続を合わせた8バーディと、ボギーなしのゴルフに「今日は100%」と、そこは迷わず自分を褒めた。


昨年の誕生日でシニア入りし、「ここからカウントダウン。60歳までは全力でいきたいと思っている。残り10年、精一杯やって」と、人生計画を明かす。

「今年に関しては、日本のシニアで結果を出して、来年はいくつか海外のシニアでもプレーする資格を取って、レギュラーツアーのシード権も獲得する」と二足、三足のわらじを目指す。


今週の総ヤーデージは6809ヤード。

「そりゃあ、7500ヤードのコースよりは楽かもしれないですけど、20代の選手は球も飛んで、ゴルフも上手いので。こないだ、河本力くんと回った時もびっくりした。めちゃくちゃ飛んで、100ヤード以内も上手いので。その中で戦うのは大変ですね」。


それでも、若手に混じって第一戦を続ける原動力は「応援してくださる方への恩返ししかない。家族もそうですが、今までさんざん、好き勝手やらせていただいていますから。少しでも楽しんでもらったり、喜んでもらえるように、とは思っています」。
シニアのゴルフには、歩いてきた道のりが長い分だけ含蓄がある。

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