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マンダムルシードよみうりオープン 2006

増田伸洋「雨のゴルフもなんだか楽しい」

今週、バッグを担ぐ進藤大典(だいすけ)さんは2週前のJSBクラシック仙台で、谷原秀人のキャディをつとめたばかり。
谷原のツアー通算3勝目をアシストした進藤さんに今週、会場で会うなり増田は聞いた。

「先週で、運を使い果たしてきたんじゃないだろうな!?」
「とんでもない! ちゃんと残して持ってきました」と、即答してくれただけのことはある。

この日初日は大雨の降りしきる中、一時5アンダーまでスコアを伸ばす好調ぶり。
まだ比較的、雨脚の弱かった前半11番、12番で、いずれも7メートルのバーディパットを決めて波に乗った。

後半からは、横殴りの雨。
突風に、傘の柄がしなる。飛ばされないよう、腕に力を込めるから消耗度は倍になる。
「途中から疲れて、傘をさすのもめんどくさくなって。もう濡れてもいいや、って」。
傘をたたんでしまった。
ずぶ濡れのプレーも、「悪天候がなんだか楽しい」と、言ってのける余裕ぶりは、ゴルフの調子を取り戻しつつあるからだ。

今季から、アンダーアーマー社とウェア契約を結んだのをきっかけに、同社のトレーニングジムに通い始めた。
専門のトレーナーにトレーニングメニューを組んでもらい、体調管理も万全に。このオフで、8キロ痩せて体重は83キロ。

すっかり引き締まった姿に、開幕して「別人になった」と、周囲に誉められて喜んでいたのもつかの間。
自分でも思いがけない減量に、ショットのフィーリングがおかしくなった。
「体がバックにもフォローにも回転しすぎる。昨年までと同じ力で振っているのに、飛びすぎてしまう」。
距離感が合わずに苦戦した。

コーチの内藤雄士さんに、「バックスイングをコンパクトに。6割程度の力で振る感じでいいんだよ」と言われていたが、実際に感覚を取り戻すのには思いのほか時間がかかった。

しかし今週になって、ようやくそのギャップが解消されつつある。
「思い通りのプレーができるようになって、雨のゴルフもすごく楽しい!」と増田。
高校時代、フルバックで活躍した元・ラガーマンは悪条件にもへこたれず、暫定3位でスタートした。

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