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ダンロップフェニックストーナメント 2005

宮本勝昌「1円でも多く稼いでおきたかったから」

最終18番パー5。ティショットを左林に打ち込んだ。前方には、テレビ中継用のやぐら。
動かせない臨時の障害物として、無罰でドロップもできたが、そうするとかえってライが悪くなる可能性があった。
しかし、そのままグリーンを狙って打つには、台の上のカメラに直撃する恐れがあり、宮本は「できれば、どけて欲しい」と競技委員に申し出たが、それは大人5人がかかっても簡単に動かせる重さではない。

とりあえず、安全なほうへ刻むか、賭けに出るか・・・。
熟考した末に、いちかばちかで4番アイアンを握り、大きくフックをかけて打った第2打は、右手前のバンカーへ。
そこから、ピンまで6メートルにつけて、これを沈めた。

大ピンチから一転、バーディのフィニッシュに宮本は小躍りせんばかりに喜んだ。

「最後のバーディパット。これを入れたら4位はかたい、と。そう思ったらドキドキして・・・。1円でも多く稼いでおきたかったから、ほんとうに嬉しい」。

目標がある。
ツアー最終戦のゴルフ日本シリーズJTカップは、その年のツアー優勝者と、前週までの賞金ランク25位までの者にしか出場権が与えられない。

その頂上決戦に、昨年まで6年連続でエントリーしているのは宮本と、日大同期の片山晋呉だけなのだ。
「なんとかして7年連続の出場を実現させたい」。
その一心で戦って4位タイは、賞金ランク32位に浮上。
「来週も、気合入れていきます」。
次週のカシオワールドオープンで、最後の望みにかける。



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