Tournament article

アサヒ緑健よみうり・麻生飯塚メモリアルオープン 2004

伊沢利光が単独首位をキープ「そろそろ、ご褒美があってもいいかな、と…」

ホールアウト後、報道陣に囲まれていた2位の宮本勝昌に、伊沢がジョークまじりのけん制だ。「宮本君は、2位狙いで頑張ってね!」。
予感がある。「ゴルフは、今まででいちばん良いですし」。
日ごろの成果も、形になって現れている。
夏以降、オフのみならず、試合中にも毎日平均6キロのランニングを欠かさない。
同時に専門家をつけて、メンタルトレーニングを始めるなど、貪欲に取り組んでいる。
「…一生懸命に頑張ってきたから、そろそろそれ(優勝)くらいのご褒美はあってもいいかな、と…」。自分自身に、期待を寄せている。

今年はじめから続いていた原因不明の体調不良は、周囲が想像する以上に本人を苦しめていた。
初めは単なる風邪かな、と思っていた微熱は、5月になっても、6月になってもいっこうに引いていかない。
「自分はこのままどうなっちゃうのか…」。
原因も分からず、ゴルフへの復帰どころか、生命の危険さえ感じた時期もあったという。

「試合には出られなくても、命のほうが大切だよな、なんて考えたり…。治療法もないし、不安だった」と、打ち明ける。

かといって毎日、くよくよしてばかりいても仕方ない。体調が少し、回復の兆しを見せ始めたころ、悶々とする伊沢のもとに、あるうわさが飛び込んできた。

世界ランク1位に躍り出たビジェイ・シン。41歳にして、シーズン獲得賞金の新記録を塗り替えるなど躍進の秘訣は、日ごろから半端ではないトレーニング量をこなしているから、と聞いた。

「…俺も、もっとやらないと」。
積極的に身体を動かし汗をかくことで徐々に立て直し、9月のサントリーオープンで念願のツアー復帰をとげた。

あれから2ヶ月。タフなラウンドにも、疲れが出にくくなった。傾斜からのショットでも、バランス良く、振り切れる。初日には、17番ホールで右の傾斜から鮮やかなアルバトスも達成した。

前日2日目終了後はさすがに疲れが出て、「今日は、さぼっちゃおうかな」との思いもかすめたが、そんな気持ちにムチを打った。コースから、車で15分の自宅周辺を5週して、毎日のノルマもしっかりとこなした。
「明日、15番ホールあたりで何打差あるかにもよりますが、今の状態だと、ずっと気にせず行けそうです」。
ここ地元、麻生飯塚での復活優勝は、もう間近だ。

関連記事