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サントリーオープンゴルフトーナメント 2004

サントリーオープン初日先週の日韓戦の勢いのまま、首位タイつけた韓国のY・E・ヤン

同じ組でまわった米山剛がホールアウトするなり、なかば呆れ顔で言った。
「もう、いまのヤンさんは非の打ち所がないよ。ドライバーもアイアンも、アプローチもパターも、全部完璧!! 今日のスコアは当然だね!」
この言葉どおり、この日初日はパーフェクトラウンド。10番で、残り13ヤードを直接入れて、チップインバーディを決めるなど、ボギーなしの5アンダー65は、豪州のスコット・レイコックと並んで首位発進。

この日の好スタートも、実は本人には筋書きどおりだった。
「最近、練習ラウンドのうちに、今週はだいたいどのくらいのスコアで回れるか、分かる」という。
コースレイアウト、コンディション、セッティング・・・。「コースの特徴と、その週の自分の調子とを
あわせて考えて『あ、今週はこのくらいのゴルフかな』と・・・。今日のプレーも、まあ、最初の想像ど
おりですね」と、涼しい顔で言ってのけた。

8月のサン・クロレラクラシックで日本ツアー初優勝をあげてからというもの、がぜん自信が沸いてき
た。「変なプレッシャーが抜けて、思い通りにプレーができる気がする」。
先週の韓国VS日本の対抗戦『ヨンピョンバーチヒルズ日韓男子ゴルフ対抗戦』でも、大活躍。最終日は結局、両国引き分けで勝負はプレーオフに突入。母国を代表して、谷原秀人との決戦にのぞんだヤンは、18番パー5でバーディを奪って劇的勝利を呼び込んだのだ。
「もし、あれで負けていたら・・・」とヤンは振り返る。
「僕はきっと、韓国にいられなかったと思う。みんなに『お前なんか要らない、出て行け』って、言われていたと思うな・・・」となかば冗談まじりに話したが、実際に開催前から、この対抗戦への韓国チー
ムの入れ込みようは、相当なものだった。
そのプレッシャーを跳ね除けて、母国に勝利をもたらした余韻は、まだ体の奥に残っている。

今週、終了時点の賞金ランキングトップ10のうち、希望者の上位3人には、年末に行われる米ツアーの出場権をかけたファイナルQスクールの挑戦権が与えられる。
現在、同ランク5位につけているヤンも、もちろんその権利を狙っている。
「今週の結果次第・・・ぜひ、確実にものにしたい」初日の好発進に、ますます気合が入った。

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