いつもにも増して、宮本の、ショット前の素振りの回数が多い。
　ショットが、ちっとも、言うことをきいてくれないのだ。
　「振り切れば振り切るほど、どんでもないところに飛んでいく」
　だから、ドローとかフェードとか球筋のことは考えず、「目をつぶって、とにかく真中ねらい」
　それでも、16番パー５、打ちおろしのアゲンストホールで、右にOBを打ってしまった。「調子が、悪いときの典型なんです」。
　そんな調子だから、今週、欲はない。「4日間、新潟のファンの前でプレー。あわよくば、優勝争い」と、臨んだ初出場の今大会。すでに、目標はクリアできているから、「最終日も、楽しんでまわりたい」と宮本。
　「…ただし、“優勝副賞”の『サトウのごはん1年分』は、とっても魅力的ではあるんですけれども…」単独首位からスタートすることになった最終日にむけて、新たな“目標”が、できたようだ。

• 宮本 勝昌