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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2022

初首位の岩﨑亜久竜「目指せ平塚さん」 新たなうたい文句に背中を押される

先週まで呪文のように唱えた。
「勝ってJT」は実現できずにいよいよ「JT」に入ったが、新たなうたい文句に背中を押される好スタートだ。

プロ2季目の岩﨑亜久竜(いわさき・あぐり)が初出場の大舞台で「65」。
3人タイの5アンダーで、自身初の首位発進した。



7メートルを沈めた2番を皮切りに、7バーディを奪った。
最後、屈指の18番パー3ではアプローチがピン奥に行った。
1.5メートルの下りフックを残して「打ちたくない、打てない」と、高速グリーンに悶絶しながらなんとか沈めた。

この日2個目のボギーにとどめて「自分で思っている以上のスコアで回れてほっとしています」と、安堵した。


ファイナルQTランク9位の資格で初メンバー入りした今季、初日3位発進した3月の開幕戦「東建ホームメイトカップ」では報道陣の囲み取材エリアに鉛みたいに重たいリュックを背負って、自己紹介。  ゴルフのアグリが好発進

昨季のABEMAツアー「太平洋クラブチャレンジトーナメント」で自己ベストの2位に入った際に、「今だ」と清水買いした高価な飛距離測定器は、「人生で一番大きな買い物。ちょっと重たいですけど、会場でもつねに持ち歩いています」と、胸にひしと抱いて質疑応答した日から約9ヶ月。

急成長し、一気に知名度アップのシーズン最終戦でも変わらず重たい最新機器を肩にかけ、長蛇の先頭でファンサービスに対応していた。



今季は2位3回を含むトップ10が10回。
賞金ランクは4位で、獲得賞金9407万2977円と1億円突破も見えるが初勝利はまだ。


先週の「カシオワールドオープン」では初Vを祈念し、「勝ってJT」を合い言葉に最終日に「63」を出しながら、史上最多アンダー32を出したチャン・キムには6つも及ばなかったが、岩﨑の通算26アンダーも、日本選手だけでいうならジャンボ尾崎と比嘉一貴に並ぶ最多記録であった。


松山英樹も教える黒宮幹仁コーチのおかげでショットやアプローチもグンと上達。

今年は、今週の串田雅実さんをはじめ、丸山茂樹などを担いだ先週の杉澤伸章さんや、同級生プロの湯本開史ら、経験豊富な3人のキャディさんに順繰りに担当してもらったことで、「コースの攻め方も学べた。成長できた」と、感謝する。


飛躍の今季「足りないのは優勝。年内に勝ちます。今週もチャレンジです」と、ついにラストチャンスに賭ける。


昨季主戦場のABEMAツアーで一緒に回ったベテランプロの例にも背中を押される。

現在51歳の平塚哲二もまた2003年にトップ10が13回で賞金3位と好調を続けながら、未勝利のまま迎えた今大会でついにツアー初優勝。最後に報われた。

「僕もそれを狙ってます。目指せ平塚さんです」と、ゴルフのアグリは新たなうたい文句で悲願を追う。

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