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今季4勝目で一段と際立つ強さと身長差。比嘉一貴が王座へのカウントダウン

188センチの昨年覇者が、158センチの新王者を称えた。



昨年、ここでシーズン3勝を挙げ、20ー21賞金王に就いたチャン・キムが、比嘉一貴(ひが・かずき)に新ジャケットを着せかけ「今年はカズキで決まりじゃないか。だってこの調子だと、残り2戦でまたトップ3には入るでしょう」と、王座継承をほのめかして、「きょうは、それも当然と思わせるプレーをカズキはした」と、賛辞を贈った。


身長差が一段と際立つ今季4勝目となった。
最後、比嘉にもっとも肉薄した米ツアーのミト・ペレイラ(チリ)は183センチ。

25センチ差の強豪を軽々とねじ伏せた。


2差の首位から出て「常に2打は離そうと意識した」と、決めたとおりに逃げ切った。

1Wが不振のかわりに「今年一番切れていた」というアイアンショットでチャンスを量産。
「セカンドオナーでグリーンを外しては、相手を楽にさせてしまう」と、こだわりのパーオンで、大槻と交互に2差と迫ったペレイラをかわし続けた。


3差で入ったワンオン狙いの13番パー4(332ヤード)では、左バンカーから20ヤードの2打目をチップイン。

イーグルで度肝を抜かした。


2差で迎えた最後18番も、イーグルを求めて1、2打共にトラブルを招いたペレイラを横目に「2打差あったら100ヤードに刻む」と、鉄壁ののマネジメントでウェッジの第3打をキュキュッとピン2メートル。

計算され尽くした圧巻のバーディ締めに「ヒガは本当にショットが正確で、優勝に値する選手でした」と、ペレイラ。
最後は3差の圧勝だった。



2016年のケプカに並ぶ最多アンダー優勝は、26アンダーで初Vを飾った2019年の「RIZAP KBCオーガスタ(現・Sansan KBCオーガスタ)」と、20アンダーで2勝目を達成した昨年の「長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップ」に続く自身3度目。

JGTO最小の小さな巨人は、伸ばし合いこそ負けん気を発揮する。


それを契機に大逆転の年間王座に就いた片山晋呉の勝利(2000年)で賞金王に憧憬し、ウッズの連覇(2005、04年)を見て大会への思いを強くした少年時代。
大学先輩の松山英樹の優勝(2014年)では理想のプロ像を描いた。

「そこに自分も名前を並べることができて幸せ者です」と、やっと笑った。


プレー時の徹底したポーカーフェイスは、4年前の初V時も父・洋さんが、「ちっさいときから顔に出さん。あの子が緊張してるか私にもわからん」と、証言するなど話題になった。

「単純に喜ぶのが下手なんです」と今回は、V後の第一声で本人が弁明したが、その後の授与式では副賞の宮崎牛にこの日一番のガッツポーズが出た。



2017年に連覇を達成したケプカの原動力にもなった。「ケプカ選手が戻ってきた理由も肉だったと聞いて。牛一頭て何キロくらいになるのかと。家族が喜んでくれる。僕も凄い楽しみにしていた」と、頬が緩んだ。


会場のフェニックスカントリークラブは、アマのナショナルチームや五輪の強化選手として合宿に参加。最新のトレーニング機器や計測器に恵まれ、足の裏でグリーンの形状を読む「エイムポイント」などの特殊技法を習得できた場所でもある。

大好きな宮崎で優勝できたのは、応援してくださったみなさんのおかげです」と、感謝の地で脅威の成長ぶりを示した。


高校時に身長が止まってから、「小さくてもやれることを証明したい」が銘となり、昨年の通算2勝目時は「僕が賞金王になったら面白くないですか?」と提起し、今季2勝目を飾った6月の「BMW日本ゴルフツアー選手権森ビルカップ」では「僕を見て小さくてもできる、と勇気をもってくれる人がいたら嬉しい」などと語った。


次週の「カシオワールドオープン」で単独8位以上なら、史上最小の賞金王が決まるそうだ。
でも、「もっと勝ちたい。もう1勝したい」と、描くのは圧倒的強さ。


今季5勝以上なら、ジャンボ尾崎(1994年、96年)、伊澤利光(2001年)、松山英樹(2013年)、池田勇太(2016年)に次ぐ5人目(6例目)の2億円突破だそうだ。
史上もっとも小さな賞金1位の志は、相変わらず誰より高い。



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