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関西オープンゴルフ選手権競技 2021

大槻智春 31歳で挑む1年越しの連覇に思うこと

金谷(左)に先週の祝辞を伝える前回覇者の大槻(右)「すごい新人です」
わずか1年、されど1年。浮き沈みの激しい勝負の世界では、1年の重みはことさら大きい。
「この1年で、一気にいろいろ変わった感じがしています」と、前回覇者の大槻智春。
一昨年の「関西オープン」で、ツアー初優勝を飾った。
当時29歳。「僕は本格参戦が18年からと遅かったので。自分の中でもまだ若手っぽい雰囲気が残っていたと思います」。

だが昨年、コロナ禍で開催中止が相次ぐ中で、30代の大台に突入。
改めて、連覇を狙う今年は31歳になった。
ツアーが再開されたらいきなり「中堅」と呼ばれる年齢に差し掛かって少し戸惑う。

「しかも、若くていい選手がどんどん出てきましたからね」と、言ったそばから、練習中の金谷拓実の姿を見つけて大槻は自ら歩み寄る。
「先週、おめでとう」と、声をかけた。
大槻も健闘したが、通算7アンダーは金谷と4打差の4位T。
追いつけなかった。
「初戦からすごかったね」と、称えた。

大槻が思う金谷の強さは、ゴルフの上手さはもちろん「自分ができることと、できないことを自分でしっかり見極められているところ」と、考える。

「試合になると、普段はそんなゴルフじゃないのに、ここで行っとかないと、とか思って、自分にはできないことをやってつまらないミスをしがちだけれど、彼にはそれがない。はっきりと、そこを分けられているんだと思う」。

若くして、自分を知り尽くしている強さと凄み。
「今年まだまだ活躍するんじゃないか」。
昨年開催の6試合で、大槻がランク1位を保持していた「メルセデス・ベンツトータルポイントランキング」も先週、開幕戦の1勝であっさりと抜かれた。
プロ転向するなり破竹の勢いを続ける新人。
負けられない。

アジアンツアーやニュージーランドなど、海外で調整を重ねてシーズンインを迎えるのが最近のオフの恒例だったが、「今年はコロナでそれもない。谷口さんの合宿にも参加できませんでした」。

当初、予定していた2月は緊急事態宣言下を苦慮して、谷口徹が恒例の宮崎合宿をきゅうきょキャンセル。
3月に延期したが、その日程も、知らしてくれたのが急だった。
「予定が入っちゃってて…」と、丁重に辞退。
そんなこんなで例年に比べ、実戦不足は否めない。
「試合の緊張感、という点でも今年はなかなか難しかった」と、手探りの中で迎えた前回覇者大会。

「1年空きましたし、そういう意味でも気持ちの持ち様が違います。でも、だから逆に今年はそこまで気負わず、フラットな気持ちで臨めるかもしれないとも思っています」。
まっさらな気持ちで1年越しの連覇に挑む。

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