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関西オープンゴルフ選手権競技 2021

初日の咆哮。池村寛世が悲願に食いつく

がおーーーーーー©JGTOimages
プロ8年目の池村寛世 (いけむら・ともよ)が朝から吠えた。
狙った獲物を逃して火が付いた。
スタートの10番は、535ヤードのパー5。
5メートルのイーグルチャンスにつけた。
だが、「のぼって下るラインで、1メートルもショート」。
返しも外した。
3パットで、パーにした。
「何してんだろう…」。
怒りとショックで血がのぼり「このまま帰ってやろうか、と」。
次の11番は、出口の近く。
「キャディさんに車を持って来てもらおうか…」。
冗談交じりに悪態ついても、引きずらない。

「今日、ミスというミスはそこだけ。あとはリズムよく回れた」と、11番で5メートルを入れ返して「チャラ」にするなど、そのままこの日はボギーなしの65。
「初日から貯金もできて、今日は100点あげてもいいんじゃないか」。
合格点の好発進した。

鹿児島県の志布志出身。
ゴルフを始めた10歳から、横峯さくらさんの父・良郎さんが主宰するアカデミーに入塾。
一昨年頃からスプーンを持たず、ティショットの”直ドラ”で距離や球筋を器用に打ち分けているのは「さくら姉ちゃん」直伝の技。

先週の開幕戦からパターをアームロックで握り、グリーン上でも上昇ムード。
「今年は絶対に優勝したい」。
20ー21のロングシーズンに、ターゲットを定めている。

「ちょっと恥ずかしかったけど…。関西といったらやっぱりこれでしょ?」と思い切って、開催地に合わせて選んだ初日のコスチュームは、ヒョウ柄ウェア。
なるほど、そういうイメージなのね。

「下(パンツ)のヒョウ柄も持ってきたんです。そっちは、もっと勇気がいるけど、いつ着よう?」。
通りがかりの選手に「そりゃ最終日だろ?」と、突っ込まれて「やっぱり…?!」とがぜん、その気に。
関西ゆかりのウェアで初Vへの思いを包み、このまま悲願に食らいつく。

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