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アジアパシフィックダイヤモンドカップゴルフ 2021

25歳のお祝いリストを網羅。星野陸也は誕生日週に「やり切った感」

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旅立ちの前に大きな1勝を、自らに贈った。
星野陸也が有言実行の通算5勝目。
シーズン3勝で、4年シードも獲得した。
「本当に、こんなことができるんだ、と。自分で自分を追い込んで、めちゃくちゃやり切った感。最後は力が抜けました」。
難コースで耐え抜いたご褒美は、とてつもなくデカかった。

翌週に迫った「全米プロ」の招待状が届いたのは大会週の10日、月曜日。
「勝って行きたい」。
12日には、25歳の誕生日を迎えた。
本大会の勝者に贈られる全英オープンの出場資格も自らへのお祝いリストに加えて「今週は勝つしかない」。
硬い決意は最終日の強風にも揺らがなかった。

難条件の武器は磨き抜かれた低弾道ショット。
「学生時代から、低く打つ練習を重ねてきた」。
25歳の誓いと共に、向かい風でもピンに向かって鋭く飛んだ。

距離のある2番のパー3で、3Iのショットはピン2.5メートル。
早々のアドバンテージで引き離した。

5番、8番と、さらに「完璧」なショットを重ねた。
傾斜が入り組むパットも読み切り、前半6打差つけた。

チャンスホールの11番から連続ボギーを叩いて「相当ショック。焦りました」と、一瞬の動揺も、ワンオン狙いの13番は「刻むか、狙うか。迷って、ドライバーを抜いた」と果敢に、手前40ヤードのラフまで飛ばしてアプローチでピン4メートルに寄せた。

「どんなに差をつけても攻めるゴルフがしたかった。強い気持ちでバーディが獲れた」と、今日一番のガッツポーズも飛び出した。14番の連続バーディで、再び突き放して最終日最終組での5戦全勝。
プロ5勝目も圧倒的な逃げ切りVを演じた。

本大会の2日目2位で自身初の予選通過を果たしたのは、プロ転向してすぐの2016年。水城高校3年時には、このコースで行われた関東学生で連覇も達成。当時も、5打差の圧勝だった。

「当時に浸りながらプレーしました。思い出のいっぱい詰まった大会で勝てたことも嬉しいです」と、喜んだ。

これで、賞金ランクは1位に浮上。
世界ランキングも金谷拓実を抜いて、東京五輪の資格がある日本勢の2番手に名乗りを上げる見込みだ。

金谷は次週の「全米プロ」に先乗りしており、メジャー舞台でし烈な代表権争いになることは、必至。
「金谷くんは学生の時からうまくて、年下だけど凄い選手。僕もしっかりと成績を残せるように頑張ります」。

帰国後の隔離を見越して翌週以降も当地に残り、「全米オープン(6月17日ー20日、トーリーパイン)」の予選会もすでに遠征スケジュールに組み込んである。
「アメリカでも自分の持ち味を出せたらいい。行ってきます!!」。今度はたくさんのお土産リストを網羅する。

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