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ダンロップフェニックストーナメント 2020

ルーキーの石坂友宏。コロナ禍での大チャンスに「出られるだけで感謝」

©JGTOimages
連覇を飾ったウッズ(04、05年)やケプカ(16、17年)、98年にはジャンボ尾崎が3連覇を達成。
錚々たる覇者が並ぶ伝統の舞台で、初出場の21歳が会心を続けている。

ルーキーの石坂友宏が、第2ラウンドを終えて、まだボギーなし。
「このコースは風もあり、難しい印象。とにかく、ミスを少なく。ショットが悪くても、得意のアプローチとパターでカバーする自信はある」とこの日最後18番でも第3打を奥に打ち込むピンチを、寄せワンでしのいだ。

コロナ禍で得た、大チャンスである。
例年なら、多くの海外招待選手と、シード選手で埋まってしまう出場枠。
「本当なら、僕に資格はなかった」。
本来なら、昨季ファイナルQTランク25位がやっとの新人に、出る幕はなかった。
「毎年、テレビで見させていただく試合」。
憧れの大会で、2日目を終えて単独首位にいる。

もし、このまま勝てればルーキーVは、大会史上初の快挙だ。
他にも、日本人選手の大会史上最年少Vや、QT選手の大会初勝利など、記録は盛りだくさん。

だが、「ただ、この大会に出たいということしか考えなかった。今回はQTから出させていただいて、本当に感謝の気持ちしかありません」と、初々しく言った。

神奈川県横須賀市の出身。父親の影響で、野球からゴルフに転向したのは10歳時。地元スクールで学び、腕を上げた。

中学時には、関東ジュニアや関東中学選手権大会など優勝歴を重ねて高校、大学と通信制の「日本ウェルネススポーツ」に在籍。
1年時の18年に関東アマ制覇。昨19年には国体の成年男子で団体、個人の2冠を達成。同年の日本オープンでは23位でローアマも獲得した。
先週の「三井住友VISA太平洋マスターズ」は惜しくも出場には至らなかったが、現場待機で欠員を待つ間に、片山晋呉と練習ラウンドを回り「印象に残っている言葉は……、ありすぎて」。タダでは帰らなかった。

同級生には、すでにツアー2勝の稲見萌寧(いなみもね)さんがおり「凄いなと思う。女子は人気もあるので、僕もがんばらないと」と、刺激にはこと欠かない。

目標とするプロは、石川遼。
「ゴルフのうまさはもちろん人間性と、ファンサービスが凄いなと思う。僕も、そこは目指したい」。
生まれて初のリモート会見もなるほど、達者だった。

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