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ダンロップフェニックストーナメント 2020

転向50日目。金谷拓実がプロを自覚する時

予選Rは後輩の米澤蓮さん(左)との同組でペアルック。このシーンだけ見たら、合宿みたい?©JGTOimages
元世界アマ1位の大型新人は、必ず日に日に順位を上げる。
「初めてのコースが多いので、縦の距離感だったり、コースのフィーリングとか。初日はそこらへんを合わすことができない」と、金谷拓実はたとえ出遅れても、決まって尻上がりにスコアを伸ばす。

「コースの情報量も、増えてくるので。最終日に向けて、良いプレーができる自信はある」と「68」で回った初日の12位タイから、この日は「66」で2位タイ浮上。

2アンダーで迎えた後半は、11番から3連続バーディを記録。通算8アンダーまで伸ばして上りの16、17番ではいずれもバンカーから絶妙な寄せワンを見せるなど、ボギーなしで上がった。

尊敬する大学先輩の松山英樹が、2014年にホストVを飾った難コースを首位と1差で折り返し、「僕ももちろん、優勝目指してやっている。こういう位置で、2日目終わったのは良かったと思うし、残り2日もどんどんバーディー取って、スコアを伸ばして優勝したい」。
きっぱり言った。

9月の世界アマ最高峰の「マークマコーマックメダル」の受賞後、10月2日に東北福祉大に籍を残したままプロ転向。
試合会場では、今でもほとんどチームメイトと行動し、おそろいの大学ユニフォームは、「毎日、僕が色を決める」と、今も元エースとして後輩たちをとりまとめる。

先週の「三井住友VISA太平洋マスターズ」では、日体大2年の中島啓太さんが3位に。
昨今の学生アマの活躍にも、「アマには負けたくない、というのはない。一緒にずっと過ごしてきて、アマチュアだけど、プロと同じくらいの力を持っているのも知っている。プロとアマの垣根というのがどんどん薄れ、強い人が勝つようになってきている」。
そう言いつつも、立場の違いをはっきりと自覚する瞬間もときどき。
「先週は毎日、後輩たちと一緒にご飯に行って、だいたい自分が払っていました。なんかプロっぽいな、と思いました。なんか先輩だなぁ、と」。

アマとして参戦した9月の「フジサンケイクラシック」から、プロ転向をまたいで5位T→7位→5位Tと、今年3戦とも一度もトップ10を外していない。
プロ初勝利はまだだが、結果を出せば出すほどたまる一方の預金通帳が、アマとの大きな違い。
気前のよさも、大物の証しだ。

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