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つかの間のオフも「練習あるのみ」金谷は来季世界で、切磋タクミ

中島啓太(なかじま・けいた)は、最終予選会で来季PGAツアーの出場資格は取り損ねた。

2日目を6位タイで終えながら、3日目に「75」で大きく後退。最終ラウンドも「70」と伸ばしきれずに終戦した。

「週末にいいプレーできなかったので、凄く悔しいですけど、これが今の結果と思うので」と歯がみをしたが、そもそも、権利があるのはトップ5という狭い門。


45位タイで米二部「コーンフェリー・ツアー」の出場資格は確保した。

賞金王の中島は、他にもランク3位までに付与される欧州・DPワールドツアーの出場権を持っている。

「チームと相談し、PGAツアーに早くいける一番ベストのルートを考えて、来年はプレーしたい」と、前を向く。

「弱音も言い訳もしている場合ではない。来年にむけてたくさん練習したいと思います」。


奮い立つ思いは、金谷拓実(かなや・たくみ)も中島と同じくだ。


来年も一緒に行こう、どこまでも


賞金3位の金谷には、中島と2位の蟬川泰果(せみかわ・たいが)よりも、出場優先順位は低くなる。

でも「腹を据えて、覚悟を持って、出られる試合はすべて出る」。

現地に行っても、順番が回ってこないケースも想像がつくが「チャンスがめぐってきたら、つかめるように。しっかりと準備したい」と迷いはない。

昨季(22-23年)に欧州ツアー初制覇を達成した久常涼(ひさつね・りょう)や、今季(23-24年)2週連続2位を果たした星野陸也(ほしの・りくや)も希少なチャンスを掴んで出世した。


「どんどん上を目指して闘っている選手が結果を残して、みんな刺激をもらってやる気になって、いろんな選手を巻き込みさらに上を目指していく、といういま良いサイクルが男子ゴルフで起きている」。

金谷ももちろん、好循環に乗るつもりだ。


賞金王は譲ったが、今度はどちらが先に最高峰にたどり着けるか。
中島と、来季は世界の舞台で切磋タクミする。


賞金王は逃したが、部門別ランキングのパーキープ率で、その年最多の4冠を達成した20-21年以来2度目の1位に。

また、90.863%での受賞は、2002年の谷口徹の90.06%を抜く新記録での達成だった。



「金谷さんはたとえグリーンを外しても絶対にボギーを叩かない」(中島、蟬川)。
誰もがひれ伏すマムシみたいなゴルフは数字でもはっきりと証明された。



ほかにも、飛んで曲がらない数値を示すトータルドライビングでも1位を獲り「飛距離では河本(力)選手が、フェアウェイキープでは稲森(佑貴)選手がぶっちぎりなのに、上手くその間を取ってしまって、申し訳ない・・・」と、恐縮したが、「表彰していただけることは、嬉しいですし、自信になります」と、部門別表彰で見せた笑顔はその翌週に、2年ぶり2度目の出場を果たした女子とシニアと男子の対抗戦「日立3ツアーズチャンピオンシップ(Hitachi 3Tours Championship)」でペアを組んだ大学後輩の蟬川でさえ驚くレアもの。


思わず言った。

「僕、金谷さんがこんなに喋る人と思わなかった・・・」。

「喋るわ。だって、もうオフやん。いっつも恐い顔して、迷惑もかけているけどもうオフです」と、シーズン中は真剣勝負で張り詰めっぱなしだった頬を、ゆるゆると緩めたけど、きっとそれもつかの間だ。


お母さんが待つ広島に、慌ただしく帰省をしたら、新年早々にはもう海外に飛び立つ。

短いオフ。
「したいこと? 練習です。練習あるのみです」。すぐに大望を追う旅が始まる。

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