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日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills 2019

鍋谷太一の上京物語。初の銀座に「テンションやばい」

自身のレギュラー2戦目で、プロ7年目の22歳が見違えた。過去3戦とも予選落ちの宍戸。いきなり4アンダーを出して「自分でもびっくりするほどパットが入った」。

スタートの1番で12メートルを決めると4、5、6番では6メートルを沈めて3連バーディを獲った。
序盤の貯金に気分よく、距離が長く難しい17番のパー4ではダボも「僕の中ではあのホールはボギーでいい、と」。
気落ちせずに上がってこられた。

もともとゆったりしたパットのストローク。
2年前に「小さく上げてパチン、と打つ」。せっかちな打ち方に変えた当初はよかったが、「ロングパットの距離感が出ない」と昨年、不振に。

抜け出すヒントを得たのは3週前だ。
主戦場のチャレンジトーナメント「AbemaTVツアー」で右、左と片手打ちで練習する仲間を見て「そうだよね!」。
片手で打つとヘッドの重みを感じて必然的に、振り方が遅くなる。
「ひらめきました」と、従来のリズムに戻して吉と出た。
課題のショットに波及効果も出はじめ、苦手の難コースもすいすい回れた。

すらりと長身に、小顔のマスクがちょんと乗る。
今年、JGTOが立ち上げたファンとの交流イベント「ゴルフFAN!プロジェクト」で、ゴルフ女子の支持を得て、主要メンバーに抜擢。
「まさか選ばれるとは思ってなくて。あの中に自分が入れているのは正直、めちゃくちゃ嬉しい。イベント事も大好きなんで…」。

催事のたびに、ゴルフ女子にキャーキャー言われて、「テンションヤバい」。
同プロジェクト主催の「インドア女子会」に参加するため上京したのは3月31日。
関西出身の若者にとって「東京は憧れ」。
会場の銀座は「初めて」と、平日の真昼間に大都会の満員電車に揉まれて気分もアゲアゲ。
シード権はおろか、出場権もままならない日々には「苦しんでいた」と、ふさぎ込むこともあった。
「でもそう思うと損だな」。
プロジェクトを通じて元来のプラス思考がもたげてきた。
「自分の夢とか目標とか。それに向けて一生懸命に頑張りたい」。
今週は、地元勢として注目を集める星野陸也は同い年。
「同級生も頑張っている。少しでも追いつけるように頑張る」。
会場には、イベントで馴染みのゴルフ女子のみなさんの顔を見かけて「そろそろ、成績で見せとかなアカン!」。
きりっとV争いで、人気を不動のものにする。

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