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ダンロップフェニックストーナメント 2017

ブルックス・ケプカが大会史上5人目の連覇を達成

今年のVシーンもまたお約束の熱いキスで締めた。ケプカが、大会史上5人目の連覇(※1)を達成した。初日から首位を走り続けた完全Vは、大会史上6人目。2位との9打差は、2004年のウッズの8打差を抜いて、大会の最多差V記録も塗り替えた。メジャー覇者として戻った2年目の宮崎で、記録尽くしの2勝目を飾った。

世界ランク10位は最後の18番で、強烈なエンドマークをくっつけた。220ヤード手前のフェアウェイから4Iのフェードボールで狙いすました2打目は入りかけ。
「最後にタップインのイーグルパットを沈めてようやく優勝を確信した」と言った謙遜が、逆にニクらしく聞こえる。

4打差から出た最終日は自分との戦いに徹した。今年の目標は、昨年の自分の大会最多アンダー記録(通算21アンダー)の更新だった。
3番ホールで松山が達成したホールインワンの大歓声は、すぐ隣の2番グリーン横で聞いた。林の向こうに進藤キャディのガッツポーズが見えて「多分ヒデキがなんかやった」。池田勇太が「61」で迫った昨年の最終日がふとよぎった。「今年は熱いスタートを切ったヒデキが凄いプレーをしてくるんじゃないか」。一瞬もたげた懸念も直後に右バンカーからチップインで、すぐに消した。出だしの連続バーディで、松山の勢いをも早々に封じた。

前日3日目には完全封印した1W。「でも今日は3Wの調子が悪くて。どうせラフに行くならドライバーで飛ばしていこう、と」。詰めかけた大ギャラリーには最終日こそ、飛ばし屋の真骨頂を見せるのも忘れなかった。
「ラインもタッチもぴったりだった」とこの日は厳しいピン位置にもパットが冴え渡れば、敵う者など誰がいる。

10番と、17番のボギーで自分越えの新記録を自らふいにしたことには腹を立てたが、「連覇も、こんなに大差で勝てたのも初めての経験。ウッズの記録を抜いたことも嬉しい」。

昨年の今大会での勝利を自信に、今年6月の全米オープンを制した。
ハクをつけて戻った2年目の宮崎では新しいカノジョから、また祝福のキスを受けて、色男が今年もニヤけた。
優勝副賞の宮崎牛に、嬉しい悲鳴もお約束。
昨年、頂戴したばかりの一頭分のお肉は、自宅でパーティを開いても、備蓄はまだ冷蔵庫4台分にもなる。
さらにもう一頭となれば「しまうところがない。また新しい冷蔵庫を買わなくちゃ!」。

今年も宮崎で、最高の思い出を作った。
プロ転向直後はまず欧州ツアーで活躍した逆輸入の米選手が今年もつくづくと思うこと。
「カザフスタンや、インドなど世界中を回ってきましたが、その中でも宮崎のファンは、世界一だということです」。
観戦マナーの素晴らしさはもちろん、どの選手にも贈られる惜しみない拍手と暖かみのこもった歓声。
それらどれをとってもお世辞ではなく、「大げさでもなく本当に、宮崎のファンは世界最高です」と言った。
「その中で、プレーが出来ることは僕ら選手にとっては最高の楽しみであり、今年も最高の旅をさせてもらった。大好きな宮崎に、また来ます。来年も必ずまた帰ってきます」。
史上2人目の3連覇(※2)も、早お約束?!

(※1)過去の大会連覇達成者
ジャンボ尾崎(1994年、95年、96年)
ラリー・マイズ(1989年、1990年)
タイガー・ウッズ(2004年、2005年)
ルーク・ドナルド(2012年、2013年)
ブルックス・ケプカ(2016年、2017年)

(※2)過去の大会3連覇達成者
ジャンボ尾崎(1994年、95年、96年)

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