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マイナビABCチャンピオンシップ 2017

小鯛竜也が単独首位に

再び降り出した大雨の中で、単独首位で上がった。ツアーで、初めて3日連続の60台を重ねた。先週に引き続き、再び悪天候が予想される最終日を前に、経験豊富な選手たちは口々に、「3日目のうちに首位に」と口にしたが、まだ初シードさえ取ったことのない27歳は「狙って出来るとは思っていない」。

それでも最後の18番で、グリーン横の大きなボードで順位を確認した際には「狙っていました」。気持ちをこめたバーディチャンスは外しても、1打差は守って終われた。

この日はまだ3日目でも初の“最終組”は、「凄い空気感の中でも、ただ自分の出来ることを」と、目の前の1打に集中していた。2番で3パットのボギーが先行したが、雨で滑った6番で、右に曲げるピンチも、OKバーディで切り抜けると、7番の連続バーディで首位をとらえた。中盤で一歩後退も、11番は2メートルのバーディで食いついた。14番では13メートルもの長いパットが決まった。

大阪の阪南市の出身。今週は家族や恩人が駆けつける前で、初優勝のチャンスも2人の子どもはまだ小さくて、パパが何をしているかも分かっていない。「さっきもそこらへん走り回ってました」と無邪気な姿に、緊張感の中でもほどよく肩の力も抜ける。

2日目にはサポート契約を結ぶ関西銘菓「月化粧」の社長も応援に来て、夜は食事の席を持った。小学時代に自宅に鳥かごを作り、毎日600球の練習を指導してくれた。デビュー時から今季途中までキャディバッグを担いでくれた元・体育教師の父・剛文(たけふみ)さんも連日の応援に「ここは地元ですし、応援してくれる人たちの前で、最高の形でフィニッシュできたら」。

日曜日は先週に続いて2週連続の中止となれば、初の最終日最終組を戦わずして、願いが叶うが「明日に向けて、しっかり準備が出来ればいいな」と、緩めない。
「自分を見失わないように。今日、決められなかった上がり3ホールのパットを明日はしっかり入れていかないといけない」。
結果が出る前から棚ぼたは期待しない。

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