HONMA TOURWORLD CUP AT TROPHIA GOLF 2016

今週は、田中秀道! 石岡の歴代覇者が裏方で活躍

ツアー通算10勝の実績があればこそ、悩ましい。今週の会場の石岡ゴルフ倶楽部は、99年のアコムインターナショナルで制した。

その経験を生かして「選手目線のセッティングで、大会を盛り上げた」。そんな意気込みを持って開催前から視察を重ね、今週も火曜日から競技委員長らと打ち合わせを重ねてコースを奔走しているが、「裏方の苦労を知れば知るほど、セッティングの難しさを感じています」と、田中秀道。

ツアーを主管する日本ゴルフツアー機構は、青木功が新会長が率いるた新体制下で、トーナメント担当理事に就任したプロゴルファーたちが、いくつかの大会を持ち回りでコースセッティングの監修と補佐をつとめている。

今週はいよいよ“初登板”の時を迎えて、田中にはひとつ理想の形があった。
2005年から、5シーズンを米ツアーに主戦場にした中で、ちょうど3年目を迎えたころだったか。
深堀圭一郎が、スポット参戦した際に悲鳴をあげた言葉を今も覚えている。
「アメリカではこんなに端っこにピンを切るんだね!」。
エッジきわきわのホールロケーションはフェアウェイから見たら、グリーンの外にピンフラッグが立っているようにも見えると、当時の日本勢にとってはそれほど画期的なことだった。

「自分はそういうセッティングにもようやく慣れてきた頃で、初めて経験する選手は、そんなふうに感じるのだと。今回も、あのときの深堀さんの感動のような、そういうセッティングが出来ないものか、と。たとえ選手のみなさんに叱られても、“こんなところに切るのかよ”と言っていただけるような、そういうシビアなセッティングをと、そんな心意気でコースに来たのですが・・・」。

コースの状況や、気象条件。4日間を通したバランスなどを考え出すと、理想ばかりを掲げるだけではとてもつとまらないものなのだ、と痛感した田中である。
「やるからには責任もある。非常に重い仕事だと感じながらやってます」。
“歴代覇者”が、V争いとはまた全然違ったプレッシャーに包まれながら石岡で奮闘中だ。

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