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カシオワールドオープン 2016

今年のシード権争いは終結

前日3日目のゴルフが効いた。増田は逆転のシード権保持
まさに水を差された選手もいれば、恵みの雨となった者もいる。今年の賞金シード争いが終わった。大雨のため、最終日が流れて、54ホールの短縮競技は加算賞金も、75%に終わったことで、明暗が分かれることになった。

今年、上位60人の“第一枠”は、義務試合数不足により賞金ランキング対象外となる松山(6位)、ケプカ(23位)、詹世昌(センセショウ、40位)の3人を省いたランク63位まで。

秋の出場優先順位の入れ替えに組み込まれる上位61人から75人の“第二枠”は、同様にスピース(71位)、グリジョ(72位)、王情訓(ワンジョンフン、74位)、フレーザー(76位)の4人を抜いた同82位までとなった。

初シード入りを果たしたのは、41位の大堀裕次郎や、55位の時松隆光、65位の岩本高志ら12人。
ベテランの横田真一らがシード落ちを喫する中で、ボーダーライン上のどんでん返しは今年も起きた。
シード権争いの選手たちにとっては事実上のこの最終戦が始まる前は、遠く圏外の98位にいた増田伸洋はこの大会で7位につけて、圏内の81位に食い込んできた。

前日3日目は最終ホールのバーディが効いた。さらにさかのぼれば「16番で9メートルが入ってくれたのがデカかった」。3年連続15回目のシード権の確保に奔走したこの4日間は、支えてくれた人たちへの感謝と、「若手にもまだまだ負けられてられねえ」という気概を思い出すのに十分だった。
41歳のベテランが「この経験を活かして、来年は最初から頑張る」。

今大会前は、賞金ランク81位にいた平塚哲二は3年ぶり15回目の賞金シードの復活に成功した。3日間競技に終わった今週は最下位の66位に終わったものの、ランクをひとつ落としただけで済んだ。82位は、ボーダー線上すれすれで踏みとどまり「嬉しいですね」。昨年2月に左肘の手術に踏み切った。日本で6勝、アジアで3勝の鉄の男が帰ってきた。「来年はばたばたしないように、早めに上位にいってシードを決めたい」。
こんな思いは二度とごめんだ。

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