Tournament article

東建ホームメイトカップ 2016

熊本に届くといい・・・永野竜太郎が単独3位に

レジェンドに力をもらった。故郷のみんなに背中を押された。最後の1打に思いをこめた。朝まで降り続いた大雨の影響でこの日は1日、打ち切れずにいたパッティング。「最後は、ショート出来ない」。強気で打った6メートルのバーディトライ。ど真ん中からねじ込んだ。
特大のガッツポーズを振り下ろした。

4打差の2位タイから出た最終日は、7番で3パット。伸び悩み、なかなかV争いにも入っていけない。
「いつもだったら、弱い自分が出てくるところ」。
この日の永野は違っていた。
今なお過酷な避難生活に置かれている家族や、故郷の人たちのことを思った。「それに比べれば、どうということはない。自分を強く、持っていけたと思う」。

8番、9番で、立て続けにピンチをしのいだ直後に受けた激励もデカかった。
「熊本のために、おまえも笑顔で頑張って来い!」。
今年、日本ゴルフツアー機構の新会長に就任した青木功。大きなその手を握り返して、後半6つのバーディにつなげた。単独3位に食い込んだ。

震災に遭われた方々の不安や悲しみは、癒えることはない。
それでも、せめて自身の初優勝のニュースを近々届けられたら。
「それが自分と地元にとって、最高の形になると思うので」。
プレーオフには1打及ばなかったが、これからも、何度でも挑み続ける。
「今週は、不思議な力が働いてくれたと思うので。今シーズンを通して、ずっと持ち続けなくてはいけないと思います」。
地元の希望を背負って戦い続ける。
  • 青木にも、熊本の人たちにも不思議な力をもらった。

関連記事