上がってくるなり、定員一杯のチャリティサイン会とチャリティフォトサービスに応じたあと、そのまま早足で、一直線にパッティンググリーンに向かった。

「良い感覚を忘れないように。確認してきました」。ほんの数個ボールを転がしたあと、再び急ぎ足で戻ってきて、「お待たせしてスミマセン！」。恐縮しながら、報道陣の取材に応じた。

「今日の後半9ホールはほとんどミスもなく、凄くいい感じでパットが打てた」。掴んだ手応えを逃さないように、石川はホールアウト後の練習に励んだ。

この日は、石川も思った以上に全体的にスコアが伸びなかったのは、前日の雨でしめったグリーンでのスピンコントロールの難しさ。
しかも大利根のグリーンは、「奥が高く、しかも外側に流れるように、作られている。今日は、9番アイアンでも7メートルくらい、戻って来ちゃう」と前半こそ、石川も伸び悩んだ。

「今週はドライバーでフェアウェイに置けているんですけど、今日はそれが裏目に出た。先週みたいにラフから打って、フライヤーしてくれたほうが、むしろ今日は良かったかも」と、苦笑しながら後半はみごとに感覚を掴んでいった。

「14番と17番のバーディは大きかった」。いずれも190ヤードの2打目で6番アイアンを握り、奥のピンに対して「今日は高いフェードで奥のエッジに落としてやろうと。突っ込んでいけた」。ピンハイに落としたボールをいずれも3メートルのチャンスにつけて、バーディを奪った。

首位とは5打差の通算2アンダーにして、「明日はイーブンパーの選手にもチャンスがある」と、大逆転Ｖをにらんだ。「スタートからエンジン全開で、おもいっきりプレーしたい」。2週連続の攻めのゴルフで今季２勝を狙っていく。

• 石川 遼