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seven dreamers challenge in Yonehara GC 2014

稲森佑貴が悲願のチャレンジツアー初優勝!

18番ホールのバーディパットは2mのスライスラインであったが、やや押し出した感のあったボールはカップに蹴られても仕方がない雰囲気があった。
稲森自身も「ヤバい」と思ったものの、カップの右からなめるようにクルリと回転し、カップに消えていった。

このバーディで通算12アンダー。先にホールアウトしていた和田章太郎に並び、プレーオフへと突入した。

ティショットは、フェアウエーセンター。セカンドはグリーンまで230ヤード強。今回、3Wをセッティングしなかった稲森は2オンを狙って5Wで振り抜いたもののボールはグリーンの左に外れてしまう。

そして、3打目も難しい状況が待っていた。グリーン面は下っており、落としどころはボールから7ヤードの位置。58度のウェッジでロブショットし、狙い通りの場所にランディングしたもののボールの勢いは殺せず、2mのフックラインを残してしまう。

だが、稲森は「絶対にここで決める!」と気を引き締める。そのバーディパットをカップど真ん中から沈めると、左手で小さくガッツポーズを決め、悲願のチャレンジツアー初優勝へと辿り着いた。

「昨年、何度も優勝争いをしながらも、辿り着けなかった優勝だったので、今年は開幕前から優勝にこだわりを持っていこうとシーズンをスタートさせました。でも、この1勝に満足することなく、残りのチャレンジの試合はもちろん、ツアーでも優勝争いしていけるように頑張ります」と表彰式で語った稲森。

しかし、稲森にはさらに上を見据えた目標もある。

「この試合での優勝が『トップ杯東海クラシック』の出場権に繋がっていることを知っていたので、なんとしても優勝して、その権利を手にしたかったんです」。

今季、レギュラーツアーに参戦した『ダンロップ・スリクソン福島オープン』で2位タイ。その権利で出場権を得た『アールズエバーラスティングKBCオーガスタ』でも13位タイに入り、2試合での獲得賞金は472万857円。

今回の優勝で出場の権利を得た『トップ杯東海クラシック』の結果如何では、レギュラーツアーでのシード権獲得も視野に入ってくる状況になっている。

「甘くはないことは重々承知しているのですが、そんなチャンスを手にしていることも事実。それを生かせるようにしていきたいです」。

今年の目標としていた、チャレンジツアー初優勝を見事に達成した稲森。しかし、彼の目線の先にはさらなる目標が見え始めている。稲森にとっての本当の戦いは、ここから始まっていく。




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