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ダンロップフェニックス 2014

松山英樹が2打差の首位に

目標のメジャー制覇に向けて、ひとつ大きな試金石の最終日となりそうだ。松山が首位を守った。「今日2打差をつけて終われたのは大きい」と、ライバルにも水をあけた。

この日は序盤こそ「パットの感触が良くなくて。微妙なパーパットをよく入れた」と我慢のゴルフも逆に元気に飛び出した、I・H・ホのゴルフは「あんまり見ないようにしていた」。
韓国出身の27歳は、どこもかしこもドライバーで快打を放つ破天荒なゴルフはそれはそれで見る者を楽しませてくれるが「僕には出来ない。練習では出来ても試合では、出来ない」と苦笑いの松山。

惑わされないためにも「僕はどちらかというと、ジョーダンと距離も似てるし、打っていくところもだいたい一緒」と、出来るだけスピースのゴルフを意識するようにした。

「ショットは後半、散らばっていた」と再三のピンチも、軽々としのいだ。15番は深い洋芝のラフからの2打目は右側の木を避けて、大きなフェードボールで手前の花道まで持って来た。会心の1打にも、顔色ひとつ変えずにそこから絶妙の寄せで、平然とパーを拾った。17番のパー3では、4パットのダブルボギーを打ったスピースを横目に、ボギーなしの67で上がってきた。

最後は5メートルのバーディパットを沈めて、珍しくガッツポーズに秘めた思いがほとばしる。
「この試合に勝ちたい」。
ホストプロとして臨む今大会は「恩返しとして結果を出したい」のがひとつ。
また、過去40回の歴史の中でも日本人チャンピオンが6人しかいないことにも松山の心は燃える。
「世界のトップが毎年来る大会で、そこでしっかり勝ちたい。その思いが今週は強くて。その気持ちから、この3日間は凄く集中して出来ている」。

最終日もまたスピースとの最終組は、これで4日間とも同じ組に「なかなかないことだと思うが、これからアメリカでも、こういう戦
いをしていきたいので」。最終日の直接対決こそ真価を問われる。

今年のマスターズで2位につけ、昨年のジョンディアクラシックでは米ツアー82年ぶりの19歳Vを果たしたひとつ年下の新星との2打差も、「貯金があると思わずに、やっていきたい」。
ますます気を引き締めて臨む最終日を「初めの一歩」と、松山は表現した。
メジャー制覇を目指すというのなら、ここで負けるわけにはいかない。「ジョーダンにも負けないように。他の選手にも追いつかれないように。明日もどんどん伸ばしていければいい」。
“ホーム”での戦いは絶対に負けられない。

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