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ダンロップフェニックス 2014

松山とスピースの最終組に割って入った第三の男。ぶっつけ本番のI・H・ホが2位タイ浮上

初出場の今大会は難コースを前に、さすがにこの男もぶっつけ本番にするつもりなどなかった。不本意ながら、ただの1ホールも練習ラウンドが出来なかったのは、今回ばかりは本当に計算外だった。

18日の火曜日は、ダンロップスポーツから来年2月に発売される「NEW スリクソンZ−STAR」の発表会見が行われ、IHも契約選手としてひな壇に立った。9ホールだけでも回る予定がまずそこで流れ、「じゃあ明日」と、勝手に考えていたのが失敗だった。

翌水曜日のプロアマ戦はそのプレー後に、プロアマ戦に参加していない選手が練習ラウンド出来る大会もあれば、出来ない場合もある。今回は組数も多かったため、プロアマ後はコース整備のために、クローズになった。
その際には必ず選手たちに、事前に通達してあるのだがIHは、はなから回れるものと思い込んでいたため、確認をしていなかったのだ。

しかし、もともと天性でここまでのし上がってきたといってもいい天才肌は、「それがかえってよかった」と、2日目にして2位タイにのし上がってきた。
「コースを知らない分、慎重になるし、初日に回った時点でここは飛距離は必要ないと分かりましたしね」と、今週はあまり飛ばしていないようなことを言っても、この2日間は4番と12番で計測中のドライビングディスタンスでは、松山を押さえて1位(平均297.50ヤード)につけたが・・・。

また、予選ラウンドは歴代チャンピオンと同じ組。2011年大会を制した武藤をひそかに観察して「彼も用心深く、刻んでる。コース攻略の勉強になる」と大いに参考にして松山とスピースの最終組に割って入った。

今月初めに、ランニング中に足をひねってあまりの痛みに病院に駆け込んだが幸いにも炎症を起こしただけで、徐々に回復傾向にある。
「怖いから、いつもみたいに踏ん張れないから、それも力が入らなくてちょうどいいのかな」と余力を残しても、なお飛ばす。
27歳の大学院生は、心理学を専攻して「緊張したときは、無理に気分を変えようとするのではなくて、他のことで気を紛らわすといい。僕がラウンド中にガムを食べているのもその対策です」とひょうひょうと、松山とスピースの“米ツアー対決”にはうってつけの男が、V争いに加わった。

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