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東建ホームメイトカップ 2013

松山英樹がデビュー戦

すでにツアー1勝のスーパールーキーとはいえ、プロとしての経験は、初めてのことばかりだ。17日水曜日のプロアマ戦。もちろん、初めての接待の場所で、いきなりマイクを振られた。

「いよいよデビュー戦!! どうですか?!」。
1番ティで、インタビューを受けた。
しかし事前に聴いていなかったこともあり、心の準備もなかった。
「びっくりして・・・」。とっさに言葉が出ない。
「うまく・・・言えないですね」と口ごもった。
インタビューアーが、機転をきかせて「やっぱり、特別な思いがありますよね!?」。
「・・・そうですね」。
照れ笑いしきりで、そう応えるのが精一杯。
その直後のティショットも、「もの凄く緊張した」と、打ち明けた。

でもそのあとは、すっかり元に戻ってお客さんと和気藹々と、「一杯スコアを伸ばして楽しかった」と初体験も満喫出来た。
「自分は全然、貢献出来なかったですけど」と、おどけて憮然とそれでもチームスコアの13アンダーは、32組中12位とまずまずの滑り出しだ。

予選ラウンドの組み合わせは「昨年の賞金王と、勇太さん」。藤田寛之と選手会長の池田という豪華な組み合わせは、「ルーキーなら普通、入れてもらえる場所じゃない」と当然、、本人も注目されていることの大きさを自覚している。

「この組に入ったからには、良いプレーをしないといけない。2人についていけるように頑張ります」と、口調はいつも通りにぶっきらぼうだが、初々しく抱負を語った。

しかし、デビュー戦への思いを聞かれて堂々と言った。
「優勝するにはプロであろうがアマであろうが関係ない。1打を大切にする気持ちは、プロでもアマでも変わらない。変える必要もない」と、一切のブレもない。

石川遼に負けず劣らずの超・大型新人は、開幕前に協力な後押しがあった。
この日は東北福祉大の阿部靖彦・ゴルフ部監督が、一通の手紙を携えてご来場。
2011年に、日本勢として初のローアマを獲得したマスターズ。
その委員会のビリー・ペイン会長から送られてきたのは、当時の活躍への感謝と、プロ転向を果たす21歳への祝福の言葉と、「この先、また何度もでも、オーガスタに帰ってきてくれたまえ・・・!」。

そんな嬉しい文面に加えて、なんとあのアーノルド・パーマーから「幸運を祈る」とのメッセージとサイン入りのフラッグまでついてきた。
「光栄ですね。またあの場所に行きたいです」。
そのための賞金王獲りも、視野に入れているという。松山が、いよいよ大きな一歩を踏み出す。

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