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三井住友VISA太平洋マスターズ 2012

I・J・ジャンは「一番は僕」

以前は、ここ太平洋クラブの御殿場コースが苦手だった。「昔はフェードしか打てなかったので」。しかし、39歳を迎えた今は、スイング改造でドローボールも打てるようになり、プレーが「楽々」。

名物の高速グリーンも「大好き」と、嬉々として5位タイに浮上してきた。

先週は、世界ゴルフ選手権の「HSBCチャンピオンズ」に出場したのはいいが、スケジュールが合わずに練習ラウンドなしのぶっつけ本番。
それにもかかわらず、初日は9位タイの好発進。
「状況が何も分からなかったから、良かったみたい」と笑った。
「でも、2日目からだんだんグリーンが硬くなって、難しくなって落ちました」と結局34位タイにも、「3日目には池田選手と、キーガン・ブラッドリー選手と回って、凄く飛ぶんで驚きました。僕とはレベルが違う」と目を剥くなど、世界舞台を満喫して帰国した。

近頃、日本で好調の要因は「いつでもどこでもリラックスしてプレーが出来るから」。
トレードマークになりつつある、キャップの真っ赤なハートマークは「ギャラリーのみなさんも、ボランティアのみなさんも、ラブラブラブ! みなさんを愛しているから」と、ベテランがおどけまくった。

ジャンとは1打差の2位タイにつける韓国系アメリカ人のハン・リーは、2試合連続優勝がかかっている。
日本ツアーは1週間の空き週を挟んで、2週前のマイナビABCチャンピオンシップはジャンも、リーの祝福にかけつけた。

オフの練習仲間はそのリーを含めて5人いるが、「今年は、そのうち3人も勝っている」とジャンは言う。
金亨成(キムヒョンソン)は「VanaH杯KBCオーガスタ」でこれまたツアー初優勝を飾った。
そしてジャン自身は、5月の中日クラウンズで実に7年ぶりの復活V。

「そう!! 僕が一番初めだったんです」と、ベテランが胸を張る。
「おじさんだけど、頑張っています」。
リーにもみすみす勝たせない。
仲間3人のうち、最初の年間2勝目を挙げる選手こそ、この自分。
「明日も、我慢して頑張る」と、腕まくりした。

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