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ANAオープンゴルフトーナメント 2012

室田淳が「見たか、中嶋さん!!」

40周年を迎えた輪厚(わっつ)で、57歳が輝く。室田は前半4つのバーディで、リーダーボードに名前を連ねると「気持ちいいけど、ドキドキしちゃう!」。

今季レギュラーツアーは、ファイナルQTの資格を持ち、シニアツアーとの掛け持ち参戦は開催が重なれば迷わずシニアの出場を選び、今季は7戦目のレギュラーツアーで楽々と予選を通過して、3日目にして首位と4打差のV争い。

この大会は2002年にジャンボが樹立した55歳7ヶ月29日の最年長V記録も更新する勢いだが、お株を奪う気はさらさらない。
「だって僕なんか・・・。ああいうのはやっぱりジャンボさんが、持っていたほうがいいんだ」。
若手に混じってV争いにも引け目はある。
「だって年だもん。やっぱり俺、元気ないもん、若い子たちはうまいもん。ドキドキするもん。とても伸び伸びとはやれないよ」と苦笑するが、同時になにものにも代えがたい充実感も。

極度の緊張感の中で、この1打に集中して思い通りの結果が得られたときの喜び。
「それは、すごくいいよね」と、目尻が下がる。
プロ30年目の勝負師は、「プレッシャーの中で、思うようなショットが打てたときにこそ満足感がある」。

もはや、ライバルは誰もいない。
「殴ってもいいなら作戦もあるけれど」と笑って、「僕みたいなシニアはゴルフ場と戦っているからね」。しかし、しいていうなら、2日でコースを去ったあの人に・・・。
「見たか、中嶋さん!!」。
輪厚で4勝を誇るやはりシニアの大先輩は、40回の記念大会に結果をと意気込んだが予選落ちにしめしめと、「あの人はライバルなんだ!」。
向こうもいまごろ室田の大健闘に目を剥いているかもしれず、それが室田には痛快でたまらない。

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