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〜全英への道〜ミズノオープン 2011

石川遼は初ラウンドのコースで3位タイ

先週の、全米オープンから帰国したばかりで練習ラウンドも出来ていない。大会としては5年ぶりに戻った岡山県のJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部は2008年にプロデビューを果たした石川にとって、まさに人生初ラウンドだった。

しかし、石川に不安はなかった。「まったく知らないコースでも、ショットさえ良ければトラブルもなく回れる」。
また石川には、朝の練習場からすでに、その感触はあった。
「昨日からそういう状態を作りたいと練習してきて、今日は昨日よりさらに良いショットが打てていたので」と、下見はせずとも初ラウンドを補ってあまりあるほど、準備は完璧だった。

むしろコースを知らないことが、逆に功を奏する場面もあった。
13番は、同組の丸山、小林がティショットで刻んだが、「ここはドライバーでいいんじゃないかな」と、こともなげに打って、あとで本人も青ざめた。
「思ったところに打てた」と満足してセカンド地点に行ったら「思ったより全然フェアウェーが狭くて、どきっとした」。

幸いフェアウェーを捉えたが、「明日からは、考えます」と、苦笑いで振り返る場面も。
232ヤードの14番は、最難関のパー3で0番アイアンを握って果敢に攻めて、あわやホールインワンのスーパーショットでバーディを奪った。

専属キャディの加藤大幸さんが、水曜日のうちにコースを歩いて下見しておいてくれたのだが、それもインコースだけ。
「アウトは回っていないので」と後半は、2人揃ってまったく未知の9ホールはヤーデージブックを駆使して、イマジネーションを膨らませながらのラウンドも、無事クリアした。

国内で2試合連続の予選落ちを喫した直後の挑戦となった全米オープンは、特に収穫が多かった。「良いスイングをしているとき。または悪いときはどうなっているのか。自分の体の動きに集中することで、分かってきたことがある」。

アメリカで掴んだものを、試合で試してみたくてウズウズして帰ってきた。自分がどれだけ成長して帰って来られたか。ワクワクしながら臨んだ帰国第一戦。
「成果を発揮出来る場所があり、それを実際に発揮出来たことに満足している。アメリカで、1週間戦ってきた甲斐はあった」と、さっそく初日から確信を深めた石川だった。

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