Tournament article

フジサンケイクラシック 2010

石川遼はパープレー

ホールアウト後のインタビューは、最初にまずこの日のプレーを振り返ることになり、石川はさりげなく、マイクを握った右手の位置を、やや下げ気味にして、微調整した。
「最初のホールは、恥ずかしいのでマイクを遠ざけますけど」と、苦笑い。
1打差の単独首位からスタートしたこの日2日目は、出だしから波乱の幕開け。本当ならここだけは、マイクなしで話しても良いくらい。
富士山を背にして打つ1番パー4だ。

ティショットは会心のフェアウェーど真ん中。しかし95ヤードの2打目から、ドタバタだった。「トップ目に当たってしまった」と、サンドウェッジでグリーン奧にこぼした。
返しのアプローチもまたグリーンを転がり落ちて、向こう側のラフへ。
そこから今度は2メートルもオーバーさせて、ボギーパットも外した。
1日は、いきなりダブルボギーで始まった。

さらに3番パー5ではなんと20メートルのイーグルトライを、4パット。
「ラインの読み方とタッチが合わなかった」と7メートルもオーバーした。
「動揺したまま打った」というバーディトライは1メートルも短く、パーパットも外した。

3ホールで一気に3オーバーまで崩しながら、「よく戻って来られた」と、自分を褒めずにいられない。
11番で、奧から4メートルを沈めて握りしめたガッツポーズを合図に後半の3バーディで、どうにか取り返してイーブンパーに、同組の谷原秀人にも言われた。
「ナイスカムバック!」。
辛くも優勝争いに、居残った。
同スコアには、杉並学院高の先輩・薗田峻輔。ジュニア時代から、語り合ってきた。「いつかツアーで一緒に優勝争いしよう」。
その夢が、かなう日がやってきた。
「ワクワクしてきますね」と、思わず頬も緩む。
ひとつ前の組で先にホールアウトして、会見を終えた薗田とすれ違いざまに、アイコンタクト。すばやく固い握手を交わして健闘を誓い合った。

心弾ませる一方で、この日の失態も忘れない。
「今日のようなゴルフでは、連覇は難しい」と、現実からも目をそらさない。
「ドライバーは、今までやってきたことを、続ければいい。でも今日はフェアウェイからボギーやダボを打ったので」。
修正すべき点は、自ずと見えてくる。
「今日はアプローチとパットのミスが多かった」。
週末は、その2点をどう軌道修正してくるか。

関連記事