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マイナビABCチャンピオンシップ 2010

I・J・ジャンが63の大爆発、単独首位に

ABC名物の高速グリーンは、この日朝から雨模様のゴルフに、スピードの頃合いが、ジャンには「ちょうど良かった」という。前半の5番と6番は、いずれも本人すら思わず目を丸くした15メートルのバーディパット。
ど真ん中から転がり込んで、「今日はハンパなく入りました」と、この日の合計パット数は、22にも唖然呆然。

後半14番からの3連続は、16番でこれまた長い10メートルも決まって10バーディは、63のロケットスタートで2位と3打差の単独首位に躍り出た。

ときおり強い雨脚に風と、一気に冬が来たような冷え込み。
厳しいコンディションも、「僕のところだけ晴れていたみたい」と笑うそのココロは、話題の著書に影響を受けたから。

先週もブリヂストンオープンで、優勝争いの末に3位に入り、初シード入りに大躍進した朴宰範(パクジェーブン)。練習も、食事も、コースの行き帰りも、いつも一緒に行動している9つ下の後輩が、次の会場に移動する新幹線の中で、ホクホク顔で差し出した。

「ジャンさんもこの本を読んでみてください。絶対にタメになりますよ!」。朴も読んでたちまち結果を出したという「禅ゴルフ」。半信半疑でページをめくるうちに、ジャンもすっかり虜になった。

「日本語ではなんと表現したらいいんでしょうか。気持ちが落ち着いたというか、クリーンになったというか・・・。今まで以上に、ゴルフに集中することが出来たんです」。

どんな悪条件下にも雑念が消えて、「今日は雨も風も気にならずに我慢のプレーが出来た」と、2005年以来のツアー通算2勝目にむけて、視界も良好。いまやナイトキャップがわりという愛読書が好発進の秘訣だった。

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