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コカ・コーラ東海クラシック 2010

連覇を狙う石川遼が「燃えるものはある」

数々の歴史を塗り替えてきた石川が、またひとつ、前人未踏に分け入ろうとしている。その瞬間、ディフェンディングチャンピオンの目がきらめいた。

「今年チャンスがあるのは自分だけ。燃えるものはある」。

連覇がかかる今年、41回という大会の長い歴史に金字塔を打ち立てるかもしれない。
73年のツアー制度施行時から30回以上開催されており、なおかつ今季のツアーに現存しているトーナメントは15大会あるが、まだ誰も2年連続で勝ったことがないのは、この「コカ・コーラ東海クラシック」だけだ。

歴代チャンピオンに名前を刻んだ青木功やジャンボ尾崎将司ら錚々たる面々ですら、複数年Vはあるが、連覇はない。
大会初の快挙に、19歳が挑む。

また、9月のフジサンケイクラシックに続く年間2度以上の連覇が実現すれば73年のツアー制度施行後、青木とジャンボと、そして中嶋常幸(86年の関東オープン)のAON以来、史上4人目の偉業となる。

吉兆もある。開幕前日は29日(水)に行われたプロアマ戦で、チームスコアはこの難コースで18アンダーをマーク。
石川は「僕は6個か、7個バーディを獲った」といい、そして「ノーボギーです」と、ちょっぴりいたずら顔で胸を張った。

ボギーはないが、ダブルボギーは打った。
昨年のトーナメントでもっとも難しい16番パー3で、この日は左の崖下に落とした。
しかし、「少し左に打ってしまったけれど、それでもストレートボールは打てていたし、18ホール回れば必ずこういうミスもある」と、不安材料にすらならない。

むしろ、「1年経って、アイアンの精度は上がっているし、試合でその成果を出したい。そういう意味でもいい基準になる」と、チャレンジ精神旺盛に、「右も左も狭いグリーンは横のブレが許されず、ピンを狙うしかないのでホールインワンも出やすいと思う」。
先週のパナソニックオープンに続く2試合連続のホールインワンは、記録が残る85年以降、菊池純(2002年)と福永和宏(2005年)に続く3人目の快挙達成も、ほのめかした。

先週、石川を抜いて、賞金ランク1位にのし上がった韓国の金 庚泰(キムキョンテ)は今週、母国ツアーに参戦のため、エントリーしていない。
その点については本人は、「スコアや獲得賞金は、自分ではコントロール出来ない。全力でプレーして、その結果ついてくるものだから」と、意識はないようだがこちらの“再逆転”の可能性も十分だ。

※年間2度以上の連覇を達成した選手は・・・
・青木功(1回*78年〜79年に中日クラウンズと日本プロマッチプレーと日本シリーズと関東プロの4試合。※年間4試合の連覇はツアー最多)

・中嶋常幸(1回*85年〜86年に関東プロと日本オープンの2試合)

・ジャンボ尾崎(6回*73年〜74年に全日空オープンと東北クラシックの2試合、86年〜87年にフジサンケイクラシックとジュンクラシックの2試合、89年〜90年にフジサンケイクラシックとヨネックスオープン広島の2試合、94年〜95年にヨネックスオープン広島と全日空オープンとダンロップフェニックスの3試合、95年〜96年に中日クラウンズとダンロップフェニックスと日本シリーズの3試合、96年〜97年に中日クラウンズと三菱ギャランと久光製薬KBCオーガスタの3試合)

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