86年から6シーズン守ってきたシード権を92年ツアーで手放してしまった。33試合に出場して賞金500万円余り、ランキングも一気に100位以下に落ちた。その前年自宅を新築した直後に交通事故に遭い、それが『若いころのスイングができなくなり始めたところに事故だから苦しかった』訳で、『もうツアープロはやめなくては』と思ったこともあるという。シード落ちして『シードの有難さを再確認した』白浜だが、さらに所属契約なども白紙に戻ってフリー。後援会の人たちから補助を受ける身にもなってしまった。93年ツアーも予選会の結果中盤までは出場できたが、10月のブリヂストンオープンが最後の挑戦だった。このブリヂストンも主催者推薦による出場だったが、初日68で飯合、陳志忠ら7人とトップタイ。白浜にとっては初めてのことだった。“主催者に恩返し”をと2日目、3日目も69で単独トップ。しかし、2差にヘンキーと尾崎直である。『無理と思うが映画の“逃亡者”を再現したい』という最終日、その言葉どおり7バーディ、ボギーなしの65で回り、強豪たちにつけ入るスキを与えず5年半ぶりのツアー2勝目。そしてこの優勝でシード復活を決めてしまった。『ショットごとに二クラウスになったり、尾崎さんになったつもりで打った』と自分の中に名手の世界を描いたプレーした白浜。＜2000＞