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カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2005

ボーダー線上の熾烈な戦い

16歳のウィが華麗なゴルフを繰り広げるそばで、シビアな戦いを繰り広げている組があった。この日アウトスタートトップの高島康彰、白佳和、清水洋一の3人が、明暗を分けた。

開催コースのある高知県に移り住んで6年目。大勢の地元ファンを引き連れてプレーしていた高島(=写真上)は、現在、賞金ランク72位。

初のシード権が獲得できるランク74位内に入るためには、今大会での予選通過が最低条件。
ボーダー線上で、自身の最終戦を迎え、この日2日目は「経験したこともないくらい、立っているのもやっと」というほどの激しいプレッシャーに襲われた。

そのために、前半は思うようなゴルフをさせてもらえず、一時は通算2オーバーまでスコアを落としが、12番で6メートルを入れて、この日初バーディ。「これで、呪縛から解放された」。
通算1オーバー34位で、まずは最低条件をクリア。
「でも、まだまだ。安心しちゃいけない。明日からは上を向いて、全ホールでバーディを取る。そのくらいの気持ちでやりたい」と気持ちを引き締めた。

高島と同じ組でまわった白(=写真中)は、現在賞金ランク73位。やはり相当のプレッシャーがあったが、「シードのことは考えないよう、余計なことはすべて心から排除して回った」という。

幸い、会場のKochi黒潮カントリークラブは、今年1月のオフ合宿で回ったり「隅々まで知り尽くしているコース。回り方は分かっていた」だけに、とにかく目の前の1打にだけ集中していくことができた。

3番からの4連続バーディなど、ボギーなしの67で回って5位タイ浮上。
初シードどころか優勝争いに食い込んで、「あとはもう、思い切っていきたい」と話した。

もうひとりの選手、賞金ランク77位の清水洋一は1打足りずに予選落ちが決まり、可能性が消えた。7月のセガ・サミーカップで自己ベストの3位に入ったが、このチャンスを生かせないまま結局、初シード入りを逃した。

自身の最終戦でもあった今大会は、高島、白以上の重圧があったろうに、「・・・僕は、もともと圏外だったし、イケイケのゴルフができるような調子でもなく、覚悟は決めていたから。むしろ、彼らのほうが大変だったでしょう」と、他の2人を気遣った。
いったん、自宅に帰って、改めてファイナルQTが行われる熊本県に出発する。
「出直してきます!!」威勢よく、高知県を後にした。

清水のほかに、シードのボーダー線上にいた富田雅哉、武藤俊憲らが、初シード入りを逃した。
先月にはこの3人で、ファイナルQT会場を下見に行くなど、準備も万端。
武藤は初日の3番と、2日目17番でのトリプルボギーを悔やみつつ、「必ずまた来年、ここに戻ってきます」と、次の戦いへと気持ちを切り替えていた。

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