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ISPS HANDA 夏の決戦・誰が一番強いんだトーナメント 2025
亡き父への思い「おやじならどう言った?」小平智の問いにかわりに応えてくれた人は
米ツアー1勝の小平智(こだいら・さとし)が8アンダーの「64」をマーク。自身日本ツアーでは通算2度目となる2R連続のボギーなしを記録し、通算13アンダーでホールアウトした。

「きょうはパットが入ってくれた」と、後半11番から3連続バーディを奪うと、17番では225ヤードの2打目を5Wで1・5メートルにくっつけ、今季2個目のイーグルを記録。
「モチベーションがまた上がってきました」。
かつての小平らしさが戻ってきた。
2018年の「RBCヘリテージ」の1勝を契機に、二部のコーンフェリーも含めてアメリカで5季奮闘したが、2023年に元レッスンプロの父・健一さんを亡くして以降は張り合いを無くしていた。
「おやじならこんなときどう言ったのか」。
聞きたくても答えは来ない。
「父とコーチをいっぺんに失ったので。ここ最近はテンションが上がらないままゴルフをしていた」と、話す。
出場資格も失い、24年7月にいったん撤退して2季目。今季は開幕から9戦出て4試合で予選敗退していた。
「向こうで心も体も整えよう」と今夏、再びアメリカへ。
1か月半の合宿で立て直しに励む小平を訪ねてくれたのは、松山英樹をはじめ、久常涼(ひさつね・りょう)や、平田憲聖(ひらた・けんせい)らPGAツアーで戦う後輩たちだった。
転戦の合間をぬい「一緒にやりましょう、と声をかけてくれた」と、感謝。
松山とは3日間を共に過ごし「小平さんは昔はこう打ってましたよね?と、言われたのがいい方向に行っている。おやじにはもう言ってもらえないことを、ヒデキが言ってくれたりする。人に恵まれてるな」。
後輩たちの優しさに触れ、気力も戻った。
「夏から秋にむけて大きな試合が続くので。ヒデキたちにいい報告がしたいし、モチベーションも、また上がってきている」。
10月の日本開催「Baycurrent Classic Presented by LEXUS(ベイカレント クラシック プレゼンテッド バイ レクサス)」は、「バンテリン東海クラシック」終了時の賞金上位7人に出場資格がある。
「またそこに出場して自分はここまで変わったんだぞ、と見せられたらいいな」と、やる気が出てきた。
今季から専属キャディをつとめるプロゴルファーの市原弘章(いちはら・ひろあき)は、日大の大先輩で日本ツアー1勝の市原建彦(いちはら・たつひこ)の弟で、小平の大学同期。
「今年から一緒に頑張ろう、と言ってくれたんです。彼のためにも勝ちたい」。
昔から、誰かのためを意識するほど、強さを発揮してきたのが小平だ。
※当初、市原キャディを、市原建彦プロの息子と記していましたが、弟の誤りでございました。ご本人と、関係者のみなさまにお詫びして修正いたします。申し訳ございませんでした














