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関西オープンゴルフ選手権競技 2024

新人の岡田晃平が松山、金谷、蝉川に続くプロ初Vへ「僕は駆け出し」偉業へアタック

日本勢では松山(2試合目=2013年つるやオープン)、金谷(3試合目=2020年ダンロップフェニックス)ら、偉大な先輩らに続く、史上2番目タイの最速V記録の大チャンスだ(※JGTO発足の99年以降)。

岡田晃平(おかだ・こうへい)は、これがプロ3試合目。



昨年12月に大学を卒業したばかりの新人が、首位と2打差の4位に浮上。

初Vも見える位置から最終日を出る。


初日から、調子は悪くなかった。
しかし、前日の2日目はダブルボギーを2個も打ち、初日はボギーが5個。

バンカー目玉も、3日通算4度もあり「昨日までツイてない。ダボとボギーが多すぎて…」。


不運を嘆いた2日間から一転。
通算2アンダーの21位タイからスタートしたこの日は、最初2番と4番から3連続バーディで一気に駆け上がると、9番では右のOBゾーンに消えた、と思った第1打が「なぜか」フェアウェイまで戻ってきていて命拾いをした。


また、後半の14番で魅せたチップインイーグルも実はツイていた。

豪快に、グリーン近くまで運んだティショットは残り25ヤード。

「左からスロープを使って転がして…」と計算したアプローチは球をきれいに捉えすぎ、不本意にもスピンがかかった。

ヒヤリとした瞬間、きゅきゅっと右に折れてカップに消えた。
「周りから見たらナイスショットかもしれないですけど僕は内心よかった、と…」。別の思いで拍手喝采。


1イーグル、7バーディ、1ボギーの「62」は完璧に見えるようでも「いいゴルフと言い切れない。ビビッて打っているところがある」と反省するが、スタート前の練習で前日より硬さとスピードを増したグリーンの状況を察知し、「タッチを合わせてラインを作る」と、機転をきかし、「絶対に奥には打たないように。今日は下りのパットは1回もなかった」と、鉄壁のマネジメント力で、プロ3戦目のV争いにこぎつけた。


カツオの一本釣りで有名な高知県中土佐町に生まれ、高校(明徳義塾)→大学(東北福祉)共に、尊敬する松山の後輩だ。

「認めていただけるように頑張りたい」と1年目から意気込む。


22年の「日本アマ」で、1学年上の蝉川泰果(せみかわ・たいが)を抑えて優勝し、昨年の「日本オープン」では初日首位。

一昨年に、蝉川が達成した史上初のアマVを踏襲か、という活躍を見せてローアマを獲得したが、「僕はまだまだ。しっかり実績を残して追いつきたい」。

昨年、蟬川がプロ転向後の初Vを飾った試合で、プロ3戦目の快挙に挑む。


大学先輩の松山、金谷、蟬川を受け継ぐアマVを目指していたころは、「プロの試合に出る機会は少ないから予選を通過したいとか、びびってプレーすることも多かった」と明かすが、QT9位で資格を得たルーキー年はむしろ「ミスしても死ぬわけじゃない」と、のびのびとプレー。

「バーディパットも思い切って入れられる」と強心臓を見せる。


ただ、プロ転向後の弊害は中学から続けた寮生活から一転、一人暮らしを始めたこと。
「帰ると誰もいない。寂しい…」と孤独に耐えながら連戦する。

一時期は、よく友人や関係者からタレントの白濱亜嵐(しらはま・あらん)さんに似ていると言われた22歳。
「僕は駆け出し。思い切りやるしかない」。
松山、金谷、蟬川に次ぐ偉業にアタックする。


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