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ツアープレーヤーたちのオフシーズン

「また、スタートラインに立てたつもりで…」昨年、10年ぶりの復活優勝を果たした湯原信光

あまりの痛みに、献身的な看護を続けてきた妻・啓子夫人には、「いっそ殺してくれ」とまで叫んだ椎間板ヘルニアからの復活劇。
昨年の久光製薬KBCオーガスタでの10年ぶりの優勝が、「再び僕を、スタートラインにたたせてくれました」と、湯原はしみじみと振り返る。
ゴルフはおろか、普通に生活することすら、諦めかけたこともある。闘病生活で、やせ衰えてしまった自分の身体を見下ろして、涙したことも…。

そんな苦しみの中、どうしても、ツアー復帰への情熱だけは消すことができなかった。再びフィールドに立ち、頂点に立つ日を夢見て、歯を食いしばりひたすら耐え抜いてきたのだ。

そんな湯原に手を差し伸べてくれたのが、「チーム・湯原」の存在だった。
『国際環境』の大原隆社長と、同社チーフインストラクター・渕脇常弘さん、日本PNF協会会長の市川重之さん。
一昨年前からチームを組んで、身体とテクニカルな部分のリハビリに、徹底的に取り組んできた。
その“蓄積”の成果を見せつけたのが、昨年の、45歳での復活優勝。
「彼らの存在があったからこそ」と、全面の信頼を置くこのタッグで、今シーズンも挑む。
今月中は都内で、主に身体のケアにつとめたあと、来月中旬にはコーチらとともに米カリフォルニア州に飛び、約半月のキャンプを張る予定だ。

「僕は今やっと、“スタートライン”に戻ってきたんです」と湯原はいう。
「昨年の優勝が、再び僕をスタートラインに立たせてくれました。このチャンスを生かしこれからは、10年、20年後の自分を見据えながら、さらに質の高いゴルフを目指したい。今年の目標?
もちろん、昨年以上の結果を残すこと。
やればやるだけ実を結ぶ…そう、心に信じながら、ね(笑顔)」
2年連続の活躍を胸に汗を流す湯原のオフシーズン、その瞳は、少年のように輝いている。
  • 昨年の久光製薬KBCオーガスタ、優勝シーン。「途中からプレッシャーが嵐のように襲ってきて、頭が真っ白になった」と湯原。

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