まだ高校2年だった2011年にプロ転向した16歳ルーキーも、早27歳の10年選手。
そろそろ貫禄も出て来た。
部門別ランキングのフェアウェイキープ率では今季も不動の6季連続1位を継続した。
「みなさん、もう飽きてきましたよね…」と、本人は、今月6日に行われた年間表彰の「20ー21年度ジャパンゴルフツアー表彰式」で恐縮していたが、2018年の自身が持つ73.69%の記録を大幅に更新する77.63%は、2位の白佳和(はく・よしかず)を7.96%も引き離して、もはや敵無し(※下記受賞者とデータ一覧)。
すでに”神の域”といってもいい「曲げないぶり」は今年、ドライバーを従来より0.25インチ長の45インチにしたことに起因するらしい。
「ここまで長くしたのは初めて。ちょっとでも飛距離を出したくて」と、飛ばしたい欲からの作戦だったが「思ったより飛距離は変わらず、捕まりは格段によくなって」と、むしろ余計に曲がらなくなったという。
「まあ…僕の唯一の存在意義みたいなものですから」と苦笑したが、ここまで極まれば、もはや最強の武器。
「今年もまた1番になれたことは、嬉しいことです」と、背筋を伸ばして記念のトロフィを受けた。
20ー21年のロングシーズンは、最終戦まで賞金王の可能性を残した5人の1人として大健闘したが、もっとも条件が厳しかった稲森は、賞金6位に終わった。
「もちろん、最後優勝できれば一番良かったんですが、僕の位置では少し、現実離れしていたので」と、未練はない。
来年こそというガツガツもなく、「僕はどちらかというと、賞金王より試合のタイトルにこだわってます」と、通算2勝とも「日本オープン(18年、20202年)」に、今年は7月の「日本プロ」で新タイトルを、と頑張ったが1差の2位敗退。
「来年は、そちらでリベンジしたい」と、早くも作成中の来季達成リストの中には国内開幕戦「東建ホームメイトカップ」の雪辱も。
「実は、今年3回続けて予選落ちしてるんです。開幕戦にもっとも弱い人間。苦手意識があるみたい。本当のリベンジは、むしろこっちかも…」。
2022年も、春からまっすぐ克服に挑む。
※<記録が残る2001年以降のフェアウェイキープ率1位者一覧>
2001年 平石武則(67.36%)
2002年 井戸木鴻樹 (66.58%)
2003年 井戸木鴻樹 (69.83%)
2004年 平石武則 (65.13%)
2005年 井戸木鴻樹 (70.32%)
2006年 井戸木鴻樹 (68.93%)
2007年 井戸木鴻樹 (68.21%)
2008年 白佳和 (64.19%)
2009年 金亨成 (66.11%)
2010年 井戸木鴻樹 (66. 48%)
2011年 井戸木鴻樹 (68.67%)
2012年 河野祐輝 (65.97%)
2013年 川村昌弘 (63.75%)
2014年 時松隆光 (69.00%)
2015年 稲森佑貴 (69.61%)
2016年 稲森佑貴 (71.66%)
2017年 稲森佑貴 (70.83%)
2018年 稲森佑貴 (73.69%)
2019年 稲森佑貴 (69.39%)
20ー21 稲森佑貴 (77.63%)