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TKG所属。北川祐生が「あたりまえだ」の好発進

恩人の期待を背に、明日はさらなる自己ベストの更新を
プロ10年目の30歳が渾身の自己ベストを出した。
電動アシストカートを押してニコニコで上がってきた北川祐生(きたがわゆうき)を恩人が、仁王立ちで出迎えた。

初日の6アンダーを、ほめてもらえるかと思いきや、井口晴雄・コース代表取締役は「あたりまえだ!」。
1イーグル5バーディ(1ボギー)も、むしろ、もっと獲れたと言わんばかりだ。

無理もない。
開催コースの取手国際ゴルフ倶楽部は略して「TKG」の所属プロ。
期待を集めて、初日を迎えた。

ここでのベストスコアは「61」。
だが、それは今大会共催のJGTO会長の青木功がコースの改修に入る前。
「青木さんがツアーをやるコースに変えられました。距離が伸びて、ワングリーンに変わって傾斜もついて、よりフェアウェイキープが重要に。すべてにおいて難しくなりました。以前みたいにスコアも伸ばせなくなりました」。

というわけで、難易度を増した馴染みのコースで、この日出した「64」は、青木の手が入った改造後に出した自己ベスト。

「今日は久々の試合でしたし、所属プロなので、悪いとこは見せられない」。
そんな中でも、大会初日にさっそく自身の新記録を出せた達成感はあったが恩人の言う通り。
「これで満足しているわけにはいかない」。

コースの改修中はよく、青木にも声をかけてもらった。
名前も覚えてもらい、この日のスタートでも言われた。
「しっかり振っていけと。所属プロだから、緊張するのは当たり前。でもビビっていてもしょうがない、と」。
おかげで、背筋を伸ばしてコースに出られた。

セルフプレーの電動アシストカートに、大事に大事に取り付けたキャディバッグは、本当なら今年、AbemaTVツアーの賞金ランキングの資格で臨む国内開幕戦でお披露目するはずだった。

今季から、ウェア契約を結んだ米アパレルメーカー「アヴィレックス」には、ゴルフ部門はないのに北川のためにと特注してくださった。
「まさに、世界でこれひとつだけ! かっこいいでしょ?!」と、自慢の一品。
最終日もインターネットの生中継で、存分に露出したい。
「明日もいいプレーをして恩返しをしたい人がたくさん」。
さらなる自己ベストの更新で、世界のアオキの鼻も明かす。

  • 世界でひとつだけのキャディバッグ

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