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ダンロップ・スリクソン福島オープン 2014

小平智が初代チャンピオンに【インタビュー動画】

すでにツアー1勝の貫禄を見せた。最終日は初優勝を狙う選手がひしめく中で、小平が悲願の2勝目をあげた。16年ぶりにここ福島で誕生したばかりのトーナメントで初代チャンピオンに輝いて、「それが何より嬉しくて。僕は意外と負けず嫌い。なんでも“一番”が好きなので」。3打差から出たこの日は、24歳の負けじ魂が炸裂した。

勝ちたい気持ちがほとばしった。前半3つのバーディで、ついに首位を捉えた。13番は4メートルのチャンスをねじ込み、2打のリードを意地でも守った。再三のピンチもしのいだ。17番は「“入れた”過ぎてパンチが入った」と、がっついて長いバーディトライを3メートルもオーバー。返しのパットはこの日一番の「緊張」も、動揺はひた隠しにして執念のパーセーブで切り抜けた。

持ち前の飛んで曲がらないショットも戻った。今月オフの集中特訓は、裏切らなかった。この日も、ティショットを刻んだのは11番ホールだけでも、4日間平均80.36%と高いフェアウェイキープ率を記録。真夏の青空を真っ直ぐに切り裂いて飛んでいく。暑さも汗も吹き飛ばす。胸のすく豪打に、幾度も地元ファンの度肝を抜いた。

「早く次の2勝目が欲しかった」。昨年は日本ゴルフツアー選手権でツアー初Vを飾り、「やっと追いついたと思った」。同期の薗田峻輔と藤本佳則。特に、大親友の薗田には「追いつきやがって」と、ライバル心を剥き出されても、いい気になる暇もなく、次の2勝目もまた先を超されて、「俺も」と焦るほどに空回りは続いた。

「1勝は、まぐれだったと言われたくない」。
特に、クラブ契約が変わった今季は「複数回V」を目標に掲げておきながら予選落ちが目立ち、周囲の「まだ後半戦がある」とか「お前なら大丈夫」との励ましが、かえってつらかった。
「心配をかけている・・・。そう思うと、たまらなかった」。

初Vは、これまで育ててくれた父に捧げた。「でも2勝目は、僕を支えてくれた人たちに。これで少しは恩返しができた」と心の成長も著しく、18番で出迎えて2勝目を誰よりも喜んでくれた薗田にも、感謝の気持ちを禁じ得ない。

「最後もバーディで締めたかった」と若い勝者はどこまでも欲張りだ。18番は、右奥ラフからのアプローチをあわやチップイン。「完璧に打てた」と自画自賛も、3メートルのチャンスは逃して悔いが残る。勝っても「今日は95点」と、満点を取るのに足りないものは「メンタル面。あと思ったところに打てる技術も。16番では左の池を怖がったり、17番は不安な感じでセンター狙い。本当ならもっとピンを狙っていきたいのに」と、言いつのる。その視線の先には憧れの大舞台がある。

「先輩ならともかく、後輩に負けているのは悔しい」と、一見温厚な選手が珍しく、語気を強めて睨みつけるのはあの2人だ。
「遼や英樹に負けたくない」。小平の腹の底にも煮えたぎる。押さえきれない米ツアーへの野望は今年、どんなことがあっても予選会から挑戦すると決めている。
「僕は遼や英樹と違って、コツコツ行くしかないけど頑張る」。
福島で初代王者の座を射止めた自信を糧に、どこまでも上を目指して歩いていく。


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