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長嶋茂雄 INVITATIONALセガサミーカップゴルフトーナメント 2018

平本穏が原点回帰の首位タイ発進

今季、ファイナルQTランク28位で、2年ぶりに出場権を取り戻した32歳を、豪華布陣が支えている。

今年の関西オープンで、一緒に食事をした際に「気負わず謙虚に」と言ってくれたのは、田中秀道だ。
「頭を使え」と以前から、再三のダメだしを今週、火曜日の夕食時に改めてしてくれたのは谷口徹だ。
竹谷佳孝は「一喜一憂するな」と言った。

14、15年以来、3年ぶりの3度目のシード復帰がかかる今季。
「久しぶりに今年また試合に出られるようになって、調子はどこも悪くないのにまだ予選を2回しか通っていない。秋吉とか年下の子たちが活躍する中で、何が自分と大きく違うかなと考えると、早く自分も勝ちたいとか早くシードをとか。やっぱり、変な気持ちになりますよ」。

そう言って聞かない平本に、ありがたい助言をしてくれた錚々たる面々の顔を目一杯立てて、1日遅れの第1ラウンドを回った。

「今日はピンに向かって打ったショットはほぼない」。
攻めたい欲を押さえて堅実にチャンスを待った。
上位を狙いたくなる気持ちもこらえた。
「今日はベストを尽くしたら、なんぼでもええと思ってやりました」。

10年前の、謙虚な自分を思い出す機会にも恵まれた。
2008年の今大会がデビュー戦。月曜日の予選会「マンデートーナメント」を突破して初の本戦切符を掴んだ思い出。

今週、月曜日に3つ下の松原裕人が、やはりマンデーからツアー初戦にこぎつけた姿が、当時の自分と重なった。
「10年前どうだったかなって思ったら、キョロキョロしていたり、そういうのと比べると少しは慣れて、今はいろんな人とお話をさせてもらえるとか。10年前よりは、自分の居場所を作りやすいとか。そういうことを考えると、ツアーに出させてもらえるのって、本当にありがたい」。

感謝の気持ちも忘れずに、原点回帰の首位タイ発進。
「下手は下手なりにやりましょうって、今日はそういう気持ちでやったのが、うまくいった」。
穏便の「穏」と書いて「やすき」と読むが、「すぐイライラする」ことからついたあだ名は「イラ本穏」。
「いつもついガっつきすぎて、うまくいかずにイライラするというのが僕の悪いときの行動パターン。でも良いときを、思い返せばこういう展開が多いんじゃないかな」。
平らかに、穏やかに。
名前どおりのゴルフが出来ればほら、この通り。
先輩方が思い出させてくれた好発進だった。

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