記事

VanaH杯KBCオーガスタゴルフトーナメント 2013

18歳の稲森佑貴が首位発進【インタビュー動画】

石川や松山が出来るのだから。「同じ人間」だもの。「僕だって不可能じゃない!」。明日の遼や英樹を夢見る18歳が、好発進した。プロ転向を果たした2011年は、まだ地元・鹿児島県の城西高校2年だった。あれから2年を経た今季は、これがツアー3戦目にして、絶好の位置から初の決勝ラウンド進出のチャンス到来だ。

この日初日は、台風15号の影響で、強い風が舞う中でも、経験がものを言った。ファイナルQTランク65位で臨む今季は、主戦場のチャレンジトーナメントで7月に、ここ芥屋ゴルフ倶楽部を回った。
「LANDIC VanaH杯 KBCオーガスタ・チャレンジ」では「今日より強い風が吹いたので」。あのときも難条件の中で、優勝したK・T・ゴンとは1打差の2位タイにつけた。

「今日も風向きは把握していたので」と迷いもなく、また、これはその次のチャレンジトーナメントの「HEIWA・PGM Challenge II 〜 Road to CHAMPIONSHIP 2013」で、2試合連続のV争いも、最終ホールで池に入れて、痛恨のダブルボギーを打って、結局2打差の4位に終わった無念さ。

「あのときは、終わってしばらく何も話したくなかったくらい。刻むか、攻めるか。迷って池に入れて、優勝を逃した悔しさ」。あの反省を生かしたこの日の好発進となった。

ゴルフを始めた小学生時代は、それが何たるかもよく分からずに、「ゴルフ場のメンバーになることが目標でした」。大人の会話を聞きかじり、当時はそれが、なんだかものすごく大きな夢に感じたのだという。

しかし、しばらくしてそれだけでは当然、物足りなくなり「アマチュアでずっといるくらいなら、早いうちにプロを目指したほうが、自分のため」と幼いながら、しっかりとしたビジョンで描いた目標を、後押ししたのが石川遼の活躍だ。

史上最年少のツアー優勝を飾ったときに、「僕にも出来るはず」との強い信念。
「びびっているから出来ない。出来ないと思うから、出来ない」と言い聞かせていま、ひとつずつ、着実に階段を上っている最中だ。

ベテランプロすら手を焼く芥屋のコウライグリーンも、練習コースの南九州カントリークラブで慣れている。「クラチャンが開催される時などはグリーンキーパーが、ここに負けないくらい固いグリーンを用意してくれるので」と免疫もあり、最後の9番パー5も愛用の「3タラ」、つまり3番はタラコ型のユーティリティアイアンで、7メートルのチャンスに乗せると、強気のイーグルトライ。
惜しくも外したが、5アンダーで「明日以降も優勝を狙っていく」と、表情はまだあどけなくても、どこまでも強気な18歳だ。

関連記事