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RIZAP KBCオーガスタゴルフトーナメント 2019

沖縄も”地元”と言って! 24歳の比嘉一貴が紙一重のゴルフで暫定の単独首位に

初日のスタート遅れの影響で、第2ラウンドもまた日没中断となった。11組33選手が翌31日に競技を残した中で、沖縄県出身の24歳が暫定の単独首位で上がった。
前日初日に残した9ホールと、続いて出た2Rの計26ホールで奪ったバーディは合計13個。
ボギーなしで回った2Rの63は、芥屋(けや)のコースレコードタイ記録だ。

でも、比嘉本人には内容とスコアのギャップが半端ない。
「調子とスコアがかみ合ってない。今日もフェアウェイから打つことは、ほとんどなかった」。
散らばるショットを補ってくれたのは、パット。
「アドレスで右肩が入るクセ。そのせいで手首でごまかすことがある」。先週で済ませておいたパットの修正が奏功した。
1Rの最終9番は、15メートルのバーディパットを沈めた。2Rの11番では、11メートルのバーディ奪取を契機にそこから3連続を記録。後半を、8パットでまとめた。
「僕は高麗でしかやったことがなかったので」。
ここ芥屋(けや)はツアーで唯一の高麗グリーンも、ゴルフを覚えた沖縄で慣れていた。
「パットが入っていなかったら、予選通過も難しいくらいの状態でした」。紙一重のゴルフで初Vのチャンスを引き寄せた。

沖縄県うるま市出身。
スタート時の選手紹介時に流してもらう”勝ちウタ”に地元愛を込めた。
成底ゆう子さんが歌う「ダイナミック琉球」という楽曲は、高校野球の応援でも使われたり、昨夏ごろから全国区となったが比嘉には少年期から、慣れ親しんだ曲だった。
10年ほど前に、地域おこしのために制作された伝統芸能「組踊(くみおどり)」の現代版テーマ曲で、うるま市の城跡「勝連城跡(かつれんじょうあと)」を舞台としている。

美しい沖縄の海を彷彿させる楽曲が昔から大好きで「いい曲なので、みんなに聞いてもらいたい」と今週、迷わずリクエスト。
今回、音楽を担当する九州朝日放送の隼田千尋さんによると「比嘉プロの第一希望はほかのアーティストが歌うバージョンだったんですが、それはうちのサーバーにはなかった。でもたまたま第二希望はあったので。ご用意できてよかった」。

主催者のご尽力で、地元を意識しながらスタートできる。
「”送料無料”じゃないし、ちょっと離れているから福岡の人たちが、沖縄を地元と思ってくれるかどうか」と、笑うが「僕はジュニアのころから地区大会の会場は九州で、高ゴ連(高校ゴルフ連盟)も九州。沖縄も、福岡と同じ九州と思っている」。

地元意識を再確認して臨む週末。
「曲げても何とか打てている。ツイている部分もある。どこかでダボ、トリを打ってもおかしくない状況。少しでもフェアウェイキープ率を上げないと。すぐに追いつかれる」。
急ピッチで、ショットの修正に励む。

<比嘉一貴(ひがかずき)>
沖縄生まれの24歳は、身長158センチの小さな巨人。地元が誇る宮里兄妹の父・優さんの師事で、10歳からゴルフを始める。地元の本部高校から、宮城・東北福祉大学時を通じて国内外であまたのタイトル獲り。
卒業年時に受けたツアーのQTサードではまさかの失格を喫するも18年に、行き場を求めて挑戦したアジアンツアーの二部ツアーで、デビュー戦V。帰って、即日本のAbemaTVツアー「南秋田CCみちのくチャレンジ」で、国内プロ初V。勢いのまま、レギュラーでは同年に初シード入り。最初の躓きにもめげない逞しさも含めて、大学OBの松山英樹もその実力を買っている。

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