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石川遼の一問一答(WGC・ブリヂストン招待3R)

海外ツアーで初の最終日、最終組に挑む石川。3日目のホールアウト後には、米テレビ局の取材を受け、会場内のメディアセンターで行われる公式会見にも呼ばれた。

首位には1打差でアダム・スコット。同じ2位タイにはジェイソン・ディの豪州勢2人に囲まれての優勝争いとなる。

石川と2人で最終組を戦うことになったスコットは「今週は彼にとってとてつもない経験になる」。
最初の出逢いは石川がまだ15歳。「そのとき、彼はすでに日本で優勝していたよ」と振り返ったスコット。あれから4年。「彼は僕が19歳のときよりも、ずっとゴルファーとして大人だし、彼は“持って”る。我々は邪魔せずに彼を成長させてあげるべきだ」とのエールを送ったという。

海外での初優勝にむけて、大きな一歩を踏み出した。世界も注目する1日が、間もなく始まる。

※以下は石川遼の3日目の公式会見、一問一答

―今日のプレーはどうだったか、WGCで初めてこのポジションにいるが?

「優勝のことを考えるのはまだ早いのかな、という気がするけれど、今日は非常にいいプレーができて良かったです。今日は林の中から打つことが多かったので、うまくリカバリーできた時のアメリカの人たちの反応にすごくエキサイトしました」

―これまでは自分の望む結果が出ていなかったと思うが、米国でプレーするのに慣れてきたのか

「今まで海外のトーナメントにたくさんチャレンジしてきて、海外にいるとなかなかメンタル面のコントロールができず苦しかったが、今年のマスターズの予選を通過して20位でフィニッシュしたことから、アメリカでプレーするのが楽しくなりました」

―津波(地震)があったことを通じて気持ちは変わっているか?そのアームバンドの意味は?

「まだ日本は厳しい状況で、たくさんの人が自宅をなくして、今も避難所で生活をしている状況が続いていますし、これからずっと、どれほど長くこういった状況が続くか誰もわからないので、僕らができるだけサポートしていきたいと思っています。アームバンドはリッキー・ファウラー、ロリー・マキロイも付けてくれている。僕はもともとカラフルなリストバンドをつけていたが、ちょっと生地を薄くしたかった。いろんな色を作ってもらって、今はファッションの一つになっています」

―初日の18番ではすごいショット(パーセーブ)を打った。昨日はイーグルを奪った。こういうショットが自信になっている?

「本当にすごく落ち着いてゴルフができていることは確か。あとは木曜日の18番であったり、トラブルショットが成功した時のアメリカの人たちの盛り上がり方がすごく大好きなので。トラブルショットも嫌いじゃないですね」

―今年は日本で何回も良いスコアも出しているが、予選落ちもしている。それについては?

「2週間前は日本ツアーで2位になって、先週は予選落ちということだったので、本当に今、自分のゴルフに波がある状態。ここまではうまくいっているが、明日はどうなるか分からない気持ちが正直あります。とにかくコース上で試合を戦うというよりは『練習場で打っている』と自分に言い聞かせて打つようにしていて、それがすごくうまくいっている」

―最終組でプレーすることを想像できるか?

「正直、このトーナメントに出場する選手はすごく皆レベルが高いですし、本当に去年はそんなに良くなかったのに、そうなることもあるんだなとは思う。とにかくここまで自分の本当にいいところを100%近く出せているので、明日も全部出し切って終わりたいと思います」

―長距離移動による時差ボケ、食べ物、芝の違いもあると思うが?

「時差ボケはもちろん最初の1日、2日あったんですけど、たくさんボールを打つこと、トレーニングして汗をかくことで少しずつなくしています。コースの芝質も、もちろん日本と違うけれど、僕はどちらかというと洋芝、ベント芝というアメリカの芝が好き。コースもすごく整えられていてフェア。こういうコースはすごく好きですね。今日もたくさんの日本人のファンの方に応援して頂いたが、それでも母国以外で戦うというのはすごく孤独感があるというか、そう感じることもある。でもここで頑張ることによって、日本のみんなも絶対に見てくれているという気持ちでやっています」

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