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カシオワールドオープン 2010

宮本勝昌が66をマークして単独首位に

金、石川、池田。三つ巴の賞金レースに、まさに割って入った形の大爆発に、本人も「ジャマしてるようで。なんかヤですね」と、苦笑いで恐縮しきりだ。

単独首位に、堂々としていられないわけもある。
10月末から11月はじめにかけて、絶好調だったはずのショットが、「今はオフに向けてすっかり下り坂で」。

先週のダンロップフェニックスの2日目に、あの井戸木鴻樹を抑えてフェアウェイキープ率1位に。
「僕の中では井戸木さんは殿堂入り。たとえば、キムタクのベストジーニストみたいなもの」と、相変わらず絶妙のたとえで大先輩の安定したショットを称賛したあとで、「その人を抜くくらい、あのころは良かったんですが」と、振り返った。

散らばるショットを、補ってくれたのはパッティング。
しかも、長い距離が、面白いように決まる。
6番で10メートル。10番は、「8メートルの、変なラインが入ってくれた」。15番もまた、8メートル近い距離を決め、「他にも嫌なパーパットとか、長いパーパットが全部、入った」と、不調の中の8バーディ(2ボギー)の66には、本人が一番、驚いた。

ホールアウト後は練習場に直行した。
そのあと、兄弟子の藤田寛之も巻き込んでの“特打ち”は、約2時間にも及んだ。

本当ならば、師匠に動画を送って、アドバイスを求めたいくらいだが、芹澤信雄はちょうどこの日、今季シニアツアー最終戦「HANDA CUP シニアマスターズ」で初日を迎え、「さすがにそれどころではないから」と、そこは遠慮でせめて昔から、自分のスイングを知り尽くしている「師範代に聞くしかない」と、藤田に見てもらい、ちょっと気持ちが落ち着いた。

3日目は、池田との最終組でのラウンドを、楽しみにしている。
「今年のMVPは、僕の中では勇太」と、賛辞を送ってやまない24歳は「厚い当たりが、昔のプロっぽくて良い」と、中でも特に、玄人好みのアイアンショットのキレもさることながら、やっぱり一番は「いち早く今季4勝目を挙げたこと」だ。

2年連続で4勝以上を挙げたのが、97年のジャンボ尾崎以来、というデータを見ても、それがどれほどの快挙であったかが伺い知れる。

「ましてあの若さでね。それをやり遂げたというのが凄い」。
その池田に4打差をつけており、「いま、僕は四馬身差くらい?」と、得意の競馬にたとえ、「維持したいとは言わないけれど、最後の直線まで行って、“おっ、これ行っちゃうんじゃないの”というプレーはしたい」と、彼ならではの表現で意気込む。

と、すぐに顔をしかめて「でも、いつも3コーナーでぐちゃぐちゃに巻き込まれてしまうんだよね。最後の直線で一度頑張るんだけど、なんとか掲示板に乗るくらい、になってしまう」と反省しきりのリーダーの頭によみがえるのは、先のマイナビABCチャンピオンシップと、地元・御殿場で開かれた三井住友VISA太平洋マスターズだ。

今季2勝目まであと一歩のところまでいきながら、自滅した。それだけに、11月はじめに挑戦した世界ゴルフ選手権「HSBCチャンピオンズ」では世界トップランカーたちを間近にするにつけ、「自分のポカの多さ」を痛感した。それを反省材料に、「この2日間は、まだケアレスミスをしていないし、今週はあの失敗を返上出来れば」と話した。

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