２０１１年を戦い終えたばかりの戦士たちが、凛々しいスーツ姿に着替えて結集した。今年もジャパンゴルフツアーは最終戦の「ゴルフ日本シリーズＪＴカップ」でフィナーレを迎えて、その翌日は12月５日（月）に都内のホテルオークラ東京で年末恒例のジャパンゴルフツアー表彰式を行った。

これは、各部門別で１位に輝いた選手と、今年大きな活躍をした選手を各特別賞でたたえるとともに、日頃からツアーを支えてくださるスポンサーをはじめ、ファンや関係者のみなさんに、選手たちが直々に日頃の感謝の気持ちをあらわす晴れ舞台でもある。

今年は、何をさておき選手たちが、礼を尽くしたいのは「今年も全25試合が、すべて無事終了出来たこと」とは、前日５日の最終日にも出場選手全員参加の閉会式で、マイクを握った選手会長。

今年は開幕を１ヶ月後に控えた３月11日に、日本は未曾有の災害に見舞われて、開催すら危ぶまれたトーナメントもあった。
「厳しい状況にもかかわらず、僕ら選手にパフォーマンスの場所を与えてくださったことに、心から感謝申し上げたい」と頭を下げた宮本勝昌をはじめとして、どの選手たちも、さまざまな葛藤と戦ってきた。

被害の大きさが明らかになるにつれて、誰もが無力感に襲われた。「自分はいま何をすべきか。こんなときにゴルフをやっていていいのか」と、延々と答えの出せない質問を、自らに投げかけ続けた。

その中で、「せめて自分が出来ることを」と、一人一人が立ち上がり、コースの内外で、それぞれのやり方を模索しながら、少しでも復興の支援につながれば、と奔走した１年でもあった。

各部門別でみごと栄冠を手にした選手たちも、また残念ながら受賞には手が届かなかった選手たちも、「今、日本のために。」との思いで心をひとつにして、「みんなシーズンを全力で戦い抜きました」と言ったとき、宮本の言葉にいっそう力がこもった。

今年、未勝利に終わった石川遼。やはり、心残りは“優勝賞金”を義援金にあてられなかったことだった。今年はシーズン最初に獲得賞金を全額、被災地に寄付すると決めたからこそ「勝ちたかった」と、悔しがったのも当然だった。

もっとも、これで終わりじゃない。「サポートは、この１年でおしまいじゃない」と石川は言った。
２０１１年のシーズンは終わったが、「震災の年に被災地で生まれた子たちが立派に成人するまで支え続けたい」と石川も言ったように、これからも選手たちの心は被災地のみなさんとともにある。

その思いで改めて思いをひとつにして、今季のジャパンゴルフツアーはひとまず幕を閉じた。

※部門別ランキング、受賞者一覧

＜最優秀選手賞＞ 裵相文（ベサンムン）
＜賞金ランキング１位＞ 裵相文（ベサンムン）
＜Unisysポイントランキング賞＞ 藤田寛之
＜最優秀新人賞　島田トロフィ＞ Ｊ・Ｂ・パク
＜平均ストローク１位＞ 金庚泰（キムキョンテ）
＜平均パット１位＞ 石川遼
＜パーキープ率１位＞ 金庚泰（キムキョンテ）
＜パーオン率１位＞ 河井博大
＜バーディ率１位＞ 石川遼
＜イーグル率１位＞ 高山忠洋
＜ドライビングディステンス１位＞ カート・バーンズ
＜フェアウェイキープ率１位＞ 井戸木鴻樹
＜サンドセーブ率１位＞ スティーブン・コンラン
＜トータルドライビング１位＞ 武藤俊憲

＜ゴルフ記者賞＞ 松山英樹さん
＜Most Impressive Player賞＞ 石川遼
＜特別賞＞ 宮本勝昌（151試合連続出場記録）
　　　　　　　　 松山英樹さん（マスターズベストアマなど）

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