記事

第25回全国小学校ゴルフ選手権横尾要カップを開催(8月2日)

兄妹で参加した笹井愛子ちゃんと孝祐くん
猛暑がひと休みした心地よい夏空の下、茨城県の静ヒルズカントリークラブで、全国小学校ゴルフ選手権横尾要カップが開催され、未就学のスーパージュニアを含む134人の小学生が参加した。

この大会は、早くからジュニア育成に力を入れてきた千葉晃プロが企画立案し、志を同じくする横尾要と2003年4月にスタートさせ、以降、夏休み冬休み春休みと年に3回行われ、今年9年目に突入した小学生ゴルフ大会の草分け的存在だ。

今回は、ホストプロの横尾要がスケジュールの調整がつかず来場できなかったが、篠崎紀夫がその代役を務め、早朝からのコース準備、スタートホールではスコアカードを選手に手渡して笑顔で送り出し、最終組がホールアウトするまでコース内を巡回し汗を流した。

競技は、タフなコースセッティングをものともせず、5-6年生の女子の部では74のベストスコアで優勝。5-6年生の男子の部では、77ストロークの3人がカウントバックで決定するというハイレベルな争いで、その上達ぶりには年々驚かされる。

この大会に出場する選手たちは、ゴルフの技術が高いだけではなく、礼儀、そしてエチケットやマナーもしっかり身につけており、目指す方向がみんな同じだからこその、理想的な大会の雰囲気が保たれている。

コース内への保護者の入場を制限するジュニア大会が多い中で、あえて保護者をコース内に入れ、更にキャディの役割も任せており、あちらこちらで、ほのぼのとした光景が目に映る。

お父さんと兄とで参加した笹井愛子ちゃんは、ゴルフを始めて間もない4年生。前半はお父さんがキャディを務めたが、後半からは兄の孝祐くんにバトンタッチ。
林からの脱出では、「7番アイアンでフェースをかぶせ、大振りせずに低めに打って」との的確なアドバイスで、見事にフェアウェイに戻してリカバリー。ベストスコアでホールアウトした。

愛子ちゃんは、「最初はちゃんとやってくれるか不安な気持ちがあったが、後半は良いスコアにつながって、お兄ちゃんにやってもらって嬉しかった。」と話し、兄の孝祐くんは、「初めてのキャディで最初は簡単だと思ったが、クラブ選択が合わずにスコア落としたときに自分の責任だと感じ、難しいと思った。」と感想を話した。

千葉プロは、「ゴルフが上手い子の試合は沢山ある。お兄ちゃんがキャディをやることにより妹を思いやる心が育まれる。それがこの大会の特徴。教えたわけではないが、25回の歴史の中でみんなが学んで表現してくれている。それが真のマナーとエチケットではないか。」と分析。

第一回大会から、横尾要と共に大会を支える篠崎紀夫も、「ゴルフを楽しむ大会と、競技ゴルフと、色々あっていいと思う。親子で楽しんで、そして苦しんでください、というのがこの大会の特徴。」と話す。

兄妹が力を合わせ相談しながらてプレーする姿にお父さんの利浩さんは、「ゴルフはお金持ちのスポーツだとか、お子さんをプロにするのですかと、言われることがよくあるが、家族のレクリエーションとしてゴルフを楽しんでいます。一緒にゴルフをすることにより、道具のことやスイングの話など、親子の話題が増える。特に、妹はママっ子だけど、ゴルフ場に来ると私を頼ってくれます。コンピューターゲームではコミュニケーションはとれないけど、ゴルフはコミュニケーションツールとしても活用できます。こういう素晴らしい機会を作って頂き、ありがたく思います。」と大会への感謝の気持ちも表現した。

この大会が始まった9年前。第1回大会には30名ほどしか参加者がなかったそうだが、今ではキャンセル待ちが出るほどの人気ぶり。

歴史を重ねてきたこの大会について千葉プロは、「25回大会という節目で、タイムテーブルに対し初めてのマイナスで終了し、技術的にも個人のレベルが上がって上手くなっている。また、プレー進行に理解して協力してくれるプレーヤーと保護者に感謝したい。」と述べ、篠崎も、「この大会に携わり、参加する子どもたちを見ていると飽きない。そして子どもたちから毎回パワーをもらっている。震災後にここにいるジュニアたちも、そして僕もゴルフをプレーできることに感謝したい。」と話した。

会場の静ヒルズカントリークラブは、早い時期からジュニアがプレーしやすい環境を提供しているコースで、初期段階のスナッグゴルフレベルから全国大会レベルのジュニアゴルファーまで、幅広い受け入れ環境を整えている。
この日もスコアカードの提出を終えた子どもたちが、再びコースに飛び出していき、パー3コースやパッティンググリーンで遊ぶ姿が多く見られ、バツグンの環境と雰囲気が子どもたちをそそるのだと感心させられた。

競技とレクリエーションが融合したこの大会は、そこにいる人たちの心を温かくする大会として、更なる歴史を重ねていきそうだ。

<各部門の優勝者>
5-6年男子 長倉聖弥(6年) 77
5-6年生女子 大田沙羅(5年) 74
3-4年生男子 勝俣翔(4年) 76
3-4年生女子 望月美南(3年) 80
1-2年生男女 柏俣結生(2年) 74
スーパージュニア 飯島早織(6才) 54(18ホール・パー54)
* 同スコアの場合18番ホールからのカウントバックで順位を決定

<第18回全国小学校ゴルフ選手権横尾要カップ大会概要>
主催: 全国小学校ゴルフ連盟 報知新聞社
後援: 社団法人日本プロゴルフ協会 社団法人日本ゴルフツアー機構
特別協賛: 森ビル株式会社
協力: 株式会社宍戸国際ゴルフ倶楽部
会場: 静ヒルズカントリークラブ(茨城県常陸大宮市)
競技方法: 18ホールストロークプレー

  • 親子で参加した選手とお父さん
  • 第1回大会から携わる篠崎紀夫
  • 優勝者たちと記念撮影する千葉晃プロと篠崎

関連記事