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第18回全国小学校ゴルフ選手権横尾要カップを開催(1月6日)

ホストプロの横尾要と各部門優勝者たち

全国小学校ゴルフ選手権横尾要カップ(社団法人日本ゴルフツアー機構など後援)が、冬晴れの晴天の下、茨城県の静ヒルズカントリークラブで開催され、未就学のスーパージュニアを含む142名の小学生が参加して行われ、ホストプロの横尾要が早朝から子どもたちに声援を送った。

この大会は、ジュニア育成の先駆者である千葉晃プロが企画立案して2003年4月に始まり、以降、夏休み、冬休み、春休みと年に3回行われ、今年7年目に突入した歴史あるジュニア大会。
年々、参加希望者が増え、今回の大会は80名以上のキャンセル待ちが出るほどの人気ぶりで、北は北海道、南は佐賀県からの参加者もあった。

大会の人気はその「質」にもある。

誰が指導したわけでも、実施要項に掲載されているわけでもなく、受け継がれてきた参加者による「礼儀」は、年々定着しており、スタートホールで帽子をとって「よろしくおねがいします!」
ホールアウト後はコースに向かって「ありがとうございました!」
と、声に出して一礼する姿は、この大会を象徴する「質」の高さであり、紳士的な振る舞いで定評のある横尾要の名を冠した大会に相応しい光景である。

また横尾はスタートホールで、同じツアー仲間でジュニア育成にも精力的な篠崎紀夫と共に、スコアカードやホールロケーションシートを、参加ジュニア一人ひとりに手渡し、緊張感いっぱいのスタートを愛情をもって見届けた。

表彰式で横尾は、「ゴルフの技術だけではなく、ゴルフを楽しむこと。また勉強も頑張ってほしい。そして、遼くんだけではなく、僕や篠崎プロの応援もよろしくね!」と、ユーモアを交えて挨拶し、子どもたちを激励した。

第18回大会の表彰式を終えた横尾は、自身の名を冠したこの大会への思い入れを次のように語った。

「しっかり挨拶ができる子がもっと増えてほしい。そしてゴルフができる環境を作ってくれている両親への感謝の気持ちを忘れないでほしい。」

横尾も小学生のときにゴルフを始めたが、面子(メンコ)を半分に折り、壊れた釣り竿の先に取り付けた手作りのクラブで、小学校の校庭で遠慮しながら遊んでいた思い出がある。
当時、現在のジュニア達のような環境は整ってなく、子どもを受け入れるゴルフ場も限られていた。

また、道具もジュニア用などあるわけがなく、大人のクラブを短く切って使っていたため、「クラブに振られてしまいスイングがしっかりできなかった」といい、道具の進化によりカラ振りやチョロのない参加選手たちのレベルの高さにも感心しきりだった。

そして横尾は、「お父さんやお母さんがキャディをできる大会は他には無い。この大会を通じて親子のコミュニケーションを大切にしてほしい。この大会は、千葉プロや競技委員の皆さんの尽力で開かれている。」と、あえて一歩さがっての感謝の気持ちも忘れない。

この大会は、コース内への保護者の入場を制限するジュニア大会が多い中で、あえて保護者をコース内に入れている。
その目的について千葉プロは、「ゴルフは、個人競技でありながら、同伴競技者への心配りなど、まわりとの調和を大切にするスポーツ。あえて親を入れることによりゴルフを通じたコミュニケーションの勉強と、親が耐え子が耐え、親が喜び子が喜び、一緒に学んでいくことが重要で、お互いに学ぶ機会を提供するのが、大会を開催する大人たちの任務」と言う。

このポリシーが他の大会とは一味違う「質」を生み出し、自然発生的に心配りと調和が生まれ、「質」の高い礼儀が励行されていると言える。

更に横尾は、「この大会から礼儀を兼ね備えた素晴らしいプレーヤーが増えてくれればいい。そして僕が現役のうちにライバルとして出てきてくれると嬉しい。そのためにも僕も頑張らなければ」と自身への励みでありエネルギーにも変えている。

昨年、ルーキーイヤーながら大活躍した石川遼は5年前のこの大会チャンピオンでもある。
この大会を通じて、ゴルフ技術もさることながら、次の世代の横尾、石川という紳士的なプレーヤーが、学ぶことのできるスキルがこの大会には詰まっており、愛情ある大会関係者が温かい心で見守っている。

<各部門の優勝者>
5-6年生男子 柿澤大輝 77ストローク *
5-6年生女子 蛭田みな美 77ストローク
3-4年生男子 佐藤大河 76ストローク
3-4年生女子 植竹希望 73ストローク
1-2年生男女 河内勝行 68ストローク
スーパージュニア 竹内優騎 55ストローク
* 同スコアにより18番ホールからのカウントバックで順位を決定

<第18回全国小学校ゴルフ選手権横尾要カップ大会概要>
主催: 全国小学校ゴルフ連盟 報知新聞社
後援: 社団法人日本プロゴルフ協会 社団法人日本ゴルフツアー機構
特別協賛: 森ビル株式会社
協力: 株式会社宍戸国際ゴルフ倶楽部
会場: 静ヒルズカントリークラブ(茨城県常陸大宮市)
競技方法: 18ホールストロークプレー
コース設定:
5-6年生男子 6,306ヤード<パー72>
5-6年生女子・3-4年生男子 5,639ヤード<パー72>
3-4年生女子 4,513ヤード<パー72>
1-2年生男女 3,382<パー72>
スーパージュニア(未就学) 1,087ヤード<パー54/パー3コースを使用>

  • スコアカードを手渡す横尾と篠崎
  • スタートホールではティショットを見守る
  • 「質」の高い「礼儀」が自然発生時に励行されている
  • 戦略性の高い静ヒルズCC

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