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東建コーポレーションカップ 1999

5位の奥田靖己

自分ではないもうひとりの自分。「そういう“自分”でプレーするのが理想」と奥田。
どういうことかといえば、「優勝するときっていうのは、ゴルフ場行って、ティアップして、18ホールまわってきたら、『あ、勝っとった』。そういう感じ。なんやわからへんけど、ええスコアであがってきた・・みたいな風にやりたい。勝つときって、無心や」
8番ショート。左のグリーンエッジからパターで寄せた球が、3メートルもピンをオーバー。「ピンチや、思たけどそんな自分をおさえ、冷静にもう1回マークしなおして打った。ナイスパーですわ」
14番ショートでは5番アイアンで放ったショットがあわやホールインワン。「風がきつかってんけど、おさえて打とうとかそういう気持ちはまったく捨てて、 “チョン”って打ったら、ちょうど落ちたとこにピンがあった・・・そういう感じやったね」。
わずかカップに50センチずれたが、これを沈めてバーディ。
「今年の目標は“楽しくやる”。コースでも、なんか面白いこと見つけて心の中で笑いながらプレーするくらいでいたいわ」
気負いのなさが効を奏し、この日は5つのバーディで67。前日に引き続きの60台、しかも、「今季の初ボギーはまだなしやで」と、ニヤリ。
無欲の奥田、不気味な存在だ。

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