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アジアパシフィックオープンゴルフチャンピオンシップ パナソニックオープン 2009

池田勇太は「俺は7打差くらいまでは狙っていくよ」

1番で、いきなり度肝を抜いた。傾斜の真上にそびえ立つピンフラッグ。「ありえない難しさ」。右奧から2メートルのバーディパットを、同じ距離だけ反対側にオーバーさせた。
「ほんとうにちょこんと打っただけなのに・・・」。しょっぱなからピンチを迎え、一瞬呆然と立ち尽くしたが、この返しのパットをねじ込んで、「よく入れたよ」と、苦笑いだ。

最終18番でも1.5メートルのパーパットをしのいで、この日はボギーなしの67。
通算5アンダーは、首位と6打差だが、池田にとっては“圏内”だ。

「そうだな。俺は7打差くらいまでなら、(優勝を)狙っていくぜ」と、堂々と宣戦布告だ。

この日の朝は、毎日放送のバラエティ番組で「石川遼のライバル」として、その人柄を紹介された。
石川とは何もかもが正反対の言動やファッションは“昭和風”と称され、いまも3タックのパンツを愛用する理由として、自らジャンボ尾崎が永遠の憧れであることを語るシーンもあった。

その中で、「遼だけじゃなく、トーナメントに出ているプロみんながライバルです」と言った池田は「前にビデオに撮られたんだけど、いつ放送されるのか聞いてなかったから。なんだよ、今日だったのかよ、知らなかったよ〜」と、うっかり見逃して残念がった。

ちょっとやんちゃな物言いが、何かと取りざたされるが、実は根っから律儀な男はこの日は額に汗する残暑にもかかわらず、いつもの3タックのパンツに颯爽と、ダブルのスーツを引っかけてクラブハウスを出ていった。
「・・・そりゃあ、やっぱりゴルフ場はジャケットが礼儀でしょ? 今から、銭湯に入ってゆっくりするべ」。カラカラと笑ってひとまずコースを引き上げた。

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