Tournament article

〜全英への道〜 ミズノオープンよみうりクラシック 2009

石川遼が単独2位に

出だしの1番から連続バーディ。そして6番から怒濤の4連続。これほど良いスコアが続けばいい歳をした大人さえ、多少は気持ちが浮つくものだが、「バーディが来るほど、落ち着きが増していった」というから恐れ入る。

コーチで父の勝美さんと二人三脚で、磨きに磨きをかけた飛んで曲がらない豪快なティショット。
本人も、「全部入れるつもりだった」という好調のパッティング。

今回、初めて同組で回った丸山茂樹も、「こんな17歳、いないでしょ」と、舌を巻く。
米ツアー3勝の“世界のマル”が、「遼くんは、この2日間すべてが完璧だった」と絶賛した。

「持ってるポテンシャルもフィーリングもスキルも相当高い。ショットの音も、世界のトップクラスに通じるものがある」。
かくいう丸山は自身も16歳のとき、パブリック選手権でこのコースを回った記憶と重ねつつ、「そのときとの俺とは比べようもない」と、苦笑した。
「一杯叩きまくって、“こんな難しいコースで出来ねえや”って。俺はそう言って、予選落ちして帰ったからね」と、振り返った。

前半のハーフ30も、トータル65もツアーの自己ベストなら、1日9バーディも自己最多。
しかも1日7アンダーは、改造後のコース新を記録した。

しかし、それらもさることながら見事なのはミスへの対処だった。
後半の13番は、8番アイアンで打ったティショットが池。
ダブルボギーを打ったが、「スイングも発展途上の中で、今の実力からすれば想定していたものがやっと出た感じ」と謙虚にとらえ、「だから“ちくしょう”とは思わなかった」と、顔色一つ変えなかった。

勝美さんがこの日唯一のミスと言った最終18番の左ラフからの第2打なども、「冷静に判断して打つことが出来た」という。

通算10アンダーは、首位と1打差の単独2位で大会を折り返し、4月のマスターズ、8月の全米プロに続く今季3大会目のメジャー戦も射程にとらえた。

今大会の上位4人に全英オープンの出場権が与えられるが、「まだ半分しか終わっていない。まだ2日残っている」と、やっぱり石川は冷静だった。

これから決勝の2日間は「まだいろんな試練が待ち構えているという気がしている」と石川は言う。

「この2日間はこれ以上ないくらいよく噛み合ってくれたけれど。それも偶然としか思えない。絶対にこのまま上手くいくわけがない。明日は、今日以上に気持ちを引き締めることが大事です」。

丸山も「ぜひこのまま4日間、続けていって欲しいね」と、石川にエールを送っている。


関連記事